元ホストが語る探偵業界の裏側と日常の苦労

元ホストから探偵へ

元歌舞伎町ホストで現在は探偵として活躍するタケモト（28歳）は、その異色の経歴と魅力的なストーリーで注目の存在です。彼がどのようにして探偵の道を選び、日々の業務で感じることや、ホストとの違い、さらには仕事のやりがいや課題についてお話しします。

ホストから探偵へ転身するまで

タケモトは、高校卒業後すぐにホスト業界に飛び込みました。地元横浜のホストクラブでアルバイトを始めると、白スーツの先輩に憧れ、本格的にホストとしての道をスタートします。彼はお酒を浴びるように飲み続け、指名客を増やしていきました。自信がつくまでの道のりは、簡単ではありませんでしたが、努力の結果、3年目には歌舞伎町の売れっ子ホストとなります。

ですが、ホスト業界での輝かしいキャリアがあったタケモトには、ある思いがありました。社会貢献への欲求と「いつかは昼職に就かなくては」との漠然とした不安です。そして、25歳の誕生日を迎えると同時に、ホストを引退することを決意しました。

探偵業界の魅力に気づく

辞職後、探偵に転身しようと思ったきっかけは、探偵会社の運営者との出会いでした。彼との会話を通じて、「探偵って面白そう！」と感じたタケモトは、大型二輪免許を取得し、2022年に株式会社RCL探偵事務所に入社します。しかし、彼が思い描いていた探偵のイメージとは全く違う現実が待ち受けていました。

実際の探偵業務

最初は、柔らかい明るい雰囲気の探偵事務所に驚き、「一流の探偵になるぞ！」と意気込んだものの、実際の仕事は地味で根気のいるものでした。新人は尾行や張り込みの基礎を学び、長時間の集中力を必要とされます。タケモトは、刑事ドラマを観ていた時の「アンパンと牛乳」というイメージとは異なり、実際には食事も限られた時間の中で摂取せざるを得ない日々を送っています。

調査の難しさと面取りの重要性

また、探偵に求められるスキルの一つが「面取り」です。これは、対象者を見分ける能力を指し、コロナ禍ではマスクを着用する人が増えてこのスキルがますます重要になりました。タケモトは、周囲を観察し、服装や雰囲気を覚えて判別する能力を日々磨いています。

調査中の苦労と喜び

調査中に食べる差し入れの選び方やトイレ事情、調査員同士の連携がうまくいったときの喜びなど、日常の小さなエピソードも彼の道のりの一部です。そして何より、探偵としての喜びは、依頼者の未来を変える力を持つ仕事であることです。タケモトはこの仕事を通じて、誰かの幸せに貢献できることを誇りに思っています。

探偵業の魅力と今後の展望

ホストと探偵の違いは明確で、ホストが「今」を大切にする仕事であるのに対し、探偵は「未来」を見据える仕事です。浮気の証拠を掴むことは多くの依頼者にとって辛い現実ですが、それを元に未来を守ることができるのです。タケモトは今後、ドローン技術や新しい調査手法の習得により、さらにスキルを磨き続け、一流の探偵を目指していくと語ります。