生成AIで受注業務の自動化を目指す実証実験を開始
人手不足や採用難が深刻化する中、業務効率を向上させるための新たな取り組みが始まりました。大阪を拠点とする
ユーザックシステム株式会社と、同じく大阪に本社を置く
株式会社マツヤが連携し、生成AIとRPAを組み合わせた
『受注AIエージェント』を用いる実証実験をスタートさせました。この取り組みは、ホテル購買システム「IPORTER」を通じて行われ、受注業務の完全自動化を目指します。
実証実験の背景と目的
「IPORTER」は、多くのホテルで利用される専用のインターネット購買サイトであり、マツヤもこのシステムを通じて受注業務を行っています。これまでは、注文内容を手動で確認し、発注書を印刷するところまで自動化が進められていましたが、非定型の受注業務への自動化は難しかったのが正直なところです。
今回の実証実験では、
AIを活用することで、個々の得意先に特化した処理ルールや人の判断を必要とする非定型業務をも自動化することを目指しています。これにより、業務プロセスの効率化が期待されるだけでなく、営業担当者の負担も大幅に軽減されることでしょう。
現在までの取組み
マツヤは2021年10月に、受注業務の効率化を目的としてRPA『Autoジョブ名人』を導入しました。このシステムにより、発注伝票の印刷作業を自動化することに成功しましたが、依然として得意先ごとに異なる商品コードへの変換作業は人手に頼っていました。このプロセスの煩雑さが、営業効率の低下を招いているという課題があったのです。
実証実験の進行状況と内容
実証実験は、特定の得意先を選定し、過去の取引データをAIに学習させるところから始まります。これにより、今後新たな取引が発生した場合でも、AIが自動的に受注処理を行い、発注誤りや業務の遅延を防ぐことが期待されています。
主な検証項目としては以下が挙げられます:
- - 注文書情報の取得精度の検証(OCR読取)
- - 商品情報の検索精度の検証(過去取引データとの照合)
- - 注文情報の精度検証(上記のマッチング)
- - 社内ルール反映精度の検証(営業担当者の判断基準反映)
- - フォーマット検証(基幹システムとの連携用フォーマットへの出力)
期待される効果
株式会社マツヤのシステム管理室の小嶋氏は、「生成AIを活用することで、受注業務の効率が格段に向上すると確信しています。業界の特性上、朝が早く属人化しがちな業務が多いため、今回の取り組みが多くの問題を解決する一助になるでしょう」と語ります。また、ユーザックシステムの上野氏も「受注AIエージェントは、歴史的な課題を解消するサービスになるはずです。AIによって人の判断が補完され、多くの企業の生産性向上及び働き方改革に大きく寄与できると期待しています」と述べています。
まとめ
この実証実験は、業務の自動化を通じて業界全体の効率化を図る重要な一歩です。AIを駆使した未来の業務プロセスがどのように進化していくのか、今後の展開に注目が集まります。これにより、人手不足や働き方改革に対する明るい光が見えることを期待しています。今後の進捗がますます楽しみです。