心の痛みと向き合うための新刊、グリーフケア本が登場

2024年10月18日、株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンから新たに刊行された書籍『もう会えない人を思う夜に〜大切な人と死別したあなたに伝えたいグリーフケア28のこと〜』は、特に愛する人を失った人々に寄り添う内容となっています。この本は、著者でありグリーフケアの第一人者である坂口幸弘氏と赤田ちづる氏が手がけたもので、734人の死別体験者の声をもとに、悲しみを和らげるための28の具体的なヒントを提供しています。

大切な人との別れの痛み

愛する人との死別は、誰しもが避けられない現実です。老いた親、長年共に過ごしたパートナー、親しい友人との別れは、時に周囲から「ありふれた死」と見なされがちですが、その痛みは決して軽く扱うべきものではありません。本書は、愛する人を失った時の心の苦しみを理解し、どのように向き合っていくかを探る一冊です。

著者たちは、これまで多くの研究と実践を通じて、グリーフケアの重要性を訴えてきました。悲しみを抱えながらも「再び歩き出すためのヒント」が本書には詰め込まれており、その中には自分自身の感情を見つめなおすための思考法や、日常で実践しやすいケアの方法が含まれています。

28のヒントの内容

本書に書かれている28のヒントは、実際に死別を経験した人々の体験談をもとに作成されています。その中には、食事の味がわからない、周囲の言葉が痛い、面会制限に思い悩むなど、様々な感情が表現されています。これらの体験談は、読み手に共感や安心感をもたらします。

著者たちは、悲しみは一様ではなく、人それぞれの形があることを強調しています。このため、本書には「正解」はなく、自分自身の悲しみに向き合うための多様な視点と選択肢が示されています。優しい語り口の文と温もりのあるイラストは、心に安らぎを与えてくれることでしょう。

読者へのメッセージ

「はじめに」では、著者がどれだけ大切にこの本を執筆したかが語られています。深い悲しみを抱えつつも、「ひとりで頑張らなくても大丈夫」とのメッセージが全篇に流れています。自分を癒すことの大切さや、他者とのつながり、過去の大切な人たちとの思い出を大事にすることがどれほど重要かを再認識できる内容です。

この本を手に取った多くの人々にとって、悲しみと向き合いながら今を生きる力を得る手助けとなることを期待しています。