ムンバイにおける洪水対策調査の受注とその背景
この度、私たちの会社は株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバルを代表とする共同企業体として、JICAから「インド国ムンバイ都市圏における洪水対策に係る情報収集・確認調査」というプロジェクトを受注しました。これは、インドにおける洪水問題の深刻さと、それに対する予防策を整えるための大きな一歩です。
調査の背景・経緯
インドは自然災害の発生が非常に多く、洪水、サイクロン、干ばつ、地震などが日常的に影響を及ぼしています。特に洪水に関しては、この25年間で約200回もの発生を記録しており、それによる死者数は約38,000人、経済的損失は707億ドルに達しています。これが示すように、洪水による影響は非常に深刻であり、早急な対策が求められています。
インド政府は2005年に災害管理法を施行し、その後、防災計画の策定を各州に義務づけています。しかし、実際の対応は災害が発生した後の即時対応に偏っており、予防や被害軽減に至るまでには行き届いていないのが現状です。
特にムンバイは、約1,800万人が住む巨大都市であり、経済の中心ですが、雨期には洪水が頻発し、経済活動にも大きな影響を与えています。ムンバイ市政府は過去に河川洪水対策計画(BRIMSTOWAD)を策定しましたが、近年の気候変動により、降雨パターンが変化してきており、これまでの計画の見直しが急務となっています。
調査の目的と範囲
今回の調査の主な目的は、既存の計画の実施状況を確認し、近年の洪水被害や気候変動要因を考慮した新たな対策案を提案することです。また、事業費の概算や費用便益分析を行い、より効果的な洪水対策計画を構築するための情報収集と確認も行います。
具体的には、ミティ川流域やヒンダマタ排水区、マフルクリーク排水区において、現状の問題を洗い出し、新たな対策を導き出す必要があります。これにより、JICA支援の実施可能性を検討する基盤を築くことを目指しています。
業務の概要
この調査に関する業務名称は「インド国ムンバイ都市圏における洪水対策に係る情報収集・確認調査」であり、実施期間は2025年8月から2027年2月までとなっております。受注者は株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバルを代表とする企業体で、構成員には株式会社NJSやNJS Engineers India Pvt. Ltd.も含まれています。
まとめ
ムンバイ都市圏における洪水対策は、インド全体の災害対策の中でも特に重要な課題です。本調査を通じて、より効果的な情報と計画を提供し、今後の防災・減災の基盤を築く手助けとなることを期待しています。