AIによる研究開発人材マッチングを進めるCoA Nexusの挑戦

AIによる研究開発人材マッチングを進めるCoA Nexusの挑戦



株式会社CoA Nexus(コアネクサス)は、東京都が推進する社会課題解決型スタートアップ支援事業「Tokyo Co-inNovators」の第1期に選奨されました。これにより、研究開発に必要な人材をAIを用いて効率的にマッチングする新たなプラットフォーム「CoA Researcher」の開発が進行中です。

社会課題と日本の研究開発力


近年、日本の研究開発力の低下が危惧されています。2023年10月に発表された『Nature』誌の記事によると、日本の研究開発力は世界的に見てももはやトップクラスではなく、実際に「トップ10%補正論文数」での順位は2000年には4位だったものが現在は13位にまで落ちています。この状況に波及する形で、若手研究者の数も減少しており、1980年代の約40%から20%台まで低下しているのです。これにより、将来の研究を担う人材不足が深刻化しています。

日本経済団体連合会と文部科学省が2023年に発表した報告書でも、博士人材や女性理工系人材の育成の必要性が提言されています。特に、産業界における研究開発人材の活用強化が国の技術競争力に直結するため、ますます重要です。

企業の人材確保の現状


研究開発人材を求める企業が増える一方で、企業側でも人材確保に関する問題が顕在化しています。経済産業省の調査によると、大企業・中小企業を問わず74%以上が「研究開発人材の確保」を最大の課題だと認識しています。さらにCoA Nexusが実施した調査では、300名の研究者のうち約80%が副業への興味を示していることが明らかとなりました。しかし、研究開発分野での副業を受け入れる体制が整っていない企業が多く、双方のニーズにギャップがあります。

このような課題に対し、どのように企業と研究者を繋ぐことができるかが、今後の日本にとっての競争力を左右する鍵となります。

CoA Nexusの実証実験


CoA Nexusが採択されたプロジェクトでは、国内の化学系大手企業と協力し、特許情報を基にしたタレントプールの構築に関する実証実験が行われます。この中で、独自に開発したAI技術を利用し、特許情報から研究者のメールアドレスを推測・検証することで、従来アプローチが難しかった研究開発人材への接点を確保します。

さらに、即採用に至らない人材に副業案件を提案しながら関係性を築くことで、将来的な採用に繋げられる可能性を探ります。これにより、研究開発人材の流動性が向上し、企業の採用課題を解決する新たな仕組みを目指していきます。

Tokyo Co-inNovatorsの意義


「Tokyo Co-inNovators」は、東京都が推進する社会課題解決型スタートアップ支援事業であり、スタートアップと企業の協業を促進するためのつながりの場を提供しています。このプログラムは、全6回にわたるピッチ会や個別のネットワーキングなどを通じて、スタートアップが企業にソリューションを提供する環境を.s整えています。

研究開発マッチングプラットフォーム「CoA Researcher」


CoA Nexusが開発中の「CoA Researcher」は、転職及び副業に特化した研究開発人材のAIマッチングプラットフォームで、国内外の研究開発人材を対象としています。難易度の高い研究開発分野において企業が求める人材を効果的に獲得し、研究開発人材の働き方改革を進めることが目標です。

まとめ


日本の研究開発力を取り戻すためには、企業と研究者のつながりを強化し、双方のニーズを満たす新たな仕組みが求められています。CoA Nexusの挑戦が、日本の未来を切り開く一助となることを期待しています。

会社情報

会社名
株式会社CoA Nexus
住所
東京都目黒区中目黒1-1-17LANTIQUE BY IOQ 301
電話番号

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