五島市が民間企業と共同で日本版ボランタリークレジットを創出

五島市が民間企業と手を組み新たなカーボンクレジット制度を開始

長崎県五島市では、アイフォレスト株式会社を中心にヤマハ発動機、株式会社杣林、一般社団法人みつめる旅の4者が協力し、新しいカーボンクレジット制度「五島つながるカーボンクレジット（通称：つなクレ）」の取り組みが始まりました。このプロジェクトは、2025年11月20日に長崎県五島市と締結された約10年間の連携協定に基づいています。

プロジェクトの背景

日本の森林は担い手不足や高齢化、木材価格の低迷といった課題に直面しています。特に五島市に属する世界文化遺産の島、久賀島の森林もまた、手入れの不十分な部分が増え、土砂災害や生態系への影響が懸念されています。これらの課題を解決するため、森林の持続的な管理と経済的仕組み作りが求められています。

この取り組みの一環として、五島市の未施業市有林約815ヘクタールが対象となります。

つなクレの特徴

この「つなクレ」では、ヤマハ発動機の高精度レーザー計測技術を用いて森林のデータを収集し、アイフォレストがNCCCにボランタリークレジットの認証を申請します。2027年春頃には森林吸収系のボランタリークレジットが発行される予定です。」

生成されたクレジットは、県内外の企業が脱炭素経営や自然資本への投資の一環として購入できます。また、収益は森林管理や林業の人材育成、生物多様性の回復、地域コミュニティの活性化に活用される予定です。

4者の役割

このプロジェクトには、各企業が重要な役割を果たしています。アイフォレストはクレジットの創出と販売を担当し、ヤマハ発動機は森林データの計測を行います。杣林は持続的な森林整備を行い、みつめる旅は広報活動とクレジット販売支援を実施します。共に地域の持続可能性を高めるための取り組みを進めています。

未来への展望

「五島つながるカーボンクレジット」は、ただのカーボンクレジットの枠を超え、地域の生活や文化を守りながら持続可能な経済活動を生み出していくことを目指しています。また、森林の持続的な管理と地域経済の活性化を同時に実現する新しいモデルとして期待されています。

長崎県五島市のこの取り組みは、日本全体の森林再生や環境保全のモデルケースとして注目されており、他の地域にも波及効果が期待されます。これからの活動にぜひご注目ください。