移動の変革:WHILLモビリティサービスの新たな展開
WHILL株式会社(東京都品川区、代表取締役社長 CEO:杉江理)は、2024年8月7日、法人向け「WHILLモビリティサービス」の新サービスを発表しました。この新サービスでは、スマートフォンを使った無人貸出を可能にするアプリを導入し、高齢者や身体障害者が快適に移動できる環境づくりを目指しています。これに伴い、高齢化社会における移動の重要性や市場動向について有識者の意見が交わされました。
高齢化が進む中でのニーズ
発表会では、山陽学園大学の中村敏氏が、日本が直面する超高齢化社会の課題について言及しました。「広い施設内での移動が困難になり、多くの人々が『行きたいけれど行けない』状況に陥っている。この問題を解決することが大切だ」と中村氏は述べ、高齢者を含むすべての人が気軽に行動できる社会の必要性を強調しました。また、彼は兵庫県姫路市での取り組みを挙げ、ユニバーサルツーリズムの需要が急速に高まっていることを指摘しています。
WMILLモビリティサービスは、このような社会的ニーズに応えるべく設計されており、その結果、観光地や商業施設での導入が進んでいます。これにより、多くの高齢者が旅行や移動を楽しめる環境が整いつつあります。
新たなサービス形態
WHILL社の池田朋宏氏は、新たな無人貸出サービスの導入を発表しました。近距離モビリティ「WHILL」を核とし、機体管理システムや保険、メンテナンスがパッケージ化されています。このような形態は、コストを抑え近距離移動サービスを利用しやすくするためにデザインされています。また、施設側からの「有人貸出が難しい」や「決済システムが必要」といった要望に応える形で開発されたとのことです。
実際に、千葉県の商業施設「シャポー市川」では、このサービスを用いた実証実験が行われ、高齢者にとって利便性の高い移動手段を提供しつつ、その反響を調査しました。実験期間中は、アプリを利用した無人貸出を含め、計31件の貸出が行われ、利用者からは「また利用したい」との声が寄せられました。これは、再来店率や回遊性の向上にも寄与しており、施設運営にもメリットをもたらしています。
具体的な導入事例
さらに、東急リゾーツ&ステイの廣田研史氏が、長野県茅野市の「蓼科東急ホテル」におけるWHILL導入の事例を紹介しました。同ホテルでは、広大な敷地での自然散策を楽しむために、WHILL Model Sを導入。成長する家族層がさらに高齢者と共にアクティビティを楽しむための新しい選択肢として、WHILLが選ばれています。このような取り組みは、観光業界全体にポジティブな影響を与えると同時に、施設利用者の満足度向上にも貢献しています。
今後の展望と結論
WHILL社は今後も、スペースの広い施設でのアクセシビリティ向上に注力し、観光地やリゾート、商業施設などでの展開を進める考えです。アクセシブルな社会を実現するために、様々な法人と連携しながらWHILLモビリティサービスを拡充し、より多くの人々が快適に移動できる世界を目指します。
このような取り組みは、高齢化社会のニーズに応えるものとなり、観光業界や関連するビジネスに新たな成長機会をもたらすでしょう。全ての人が自分らしく移動できる未来を実現するために、WHILL社は今後もさらなるイノベーションを続けていきます。