出雲で新しい和菓子文化を創出する坂根屋
島根県出雲市で創業152年を迎えた伝統の和菓子店、有限会社坂根屋が新たな一歩を踏み出しました。なんと、出雲市に住むブラジル人の雇用を実現し、共同で「出雲サトウキビ農園」を運営することになったのです。ブラジルの伝統をも活かしながら、地域の農業を支える試みが注目されています。特に名を馳せるのは、サトウキビの収穫とその絞り作業。2024年12月18日には、期待の農業体験イベントも予定されています。
和菓子の新たな風
坂根屋は創業以来、地域素材にこだわり続けてきた和菓子の名店です。「宿禰餅」や「出雲ぜんざい」などを代表とする銘菓を数多く製造し、地元の味を伝えてきました。特に「出雲大納言小豆」の生産には力を入れており、北海道産を超える品質を誇る小豆を使用しています。
そんな地元の味を支える中で、坂根社長は“ブラジル人の父”で知られるセルジオ滝波氏から相談を受け、共にサトウキビ農園を運営することになりました。彼が運営する農園では、サトウキビの生産が思うように利益につながらないという現実がありました。持続可能な農業を目指す中で、坂根屋が経済的支援を行うことにより、地域に根ざした新たな事業が始まりました。
サトウキビの可能性
サトウキビはこれまで出雲の風土には適さないとされてきました。しかし、地球温暖化の影響で気候が変化し、今や出雲でも栽培が可能になったのです。この新たな試みにより、坂根屋は「出雲糖蜜」という高級素材を使った新しい和菓子の開発を進めています。特に、「出雲ぜんざい」や「羊羹」への活用が期待されており、これにより新たなブランド展開も図っています。
地域活性化と共生の実現
坂根屋が行うサトウキビ農園の運営には、地域活性化の視点が大きく関わっています。出雲市では、外国人住民の中でブラジル人の割合が非常に高いことが特徴です。雇用を確保し、生活を支えることで、共生社会の実現に寄与することが期待されています。坂根屋は、和菓子を通じて地域社会の絆を深め、人々の笑顔を引き出すことに力を尽くしています。
取材情報
出雲サトウキビ農園でのサトウキビ収穫や絞りの体験取材が行われます。報道関係者の皆様には参加をおすすめです。
- - 日時: 2024年12月18日(水) 11時〜12時
- - 場所: 島根県出雲市大社町入南
申し込みや問い合わせは坂根屋の取締役、坂根めぐみまで。
坂根屋について
出雲市で長年の歴史を誇る坂根屋は、これからも地域の素材を大切にしながら新たな挑戦を続けてまいります。出雲の「縁」を結ぶ和菓子作りを通じて、皆様に良いご縁が訪れることを願っております。