One Capitalが発信するSaaS市場動向
2023年、独立系ベンチャーキャピタルのOne Capital株式会社が、日本国内のSaaS市場に関するレポート「Japan SaaS Insights 2025」を発表しました。このレポートは、国内のB2B SaaSスタートアップへの投資を行うOne Capitalが、毎年恒例で発行しているものであり、SaaS市場の現状や今後の動向を詳細にまとめています。
SaaS市場の現状と2025年の展望
2024年におけるSaaS市場の予測について、One Capitalのレポートは過去の5つの予測の答え合わせを含めて検証しました。その中で、AI技術との統合が進む流れが強調され、AIを活用したSaaS企業が前年比の2倍にあたる90サービスにまで拡大するという予報が立てられています。このように、ますます多くのSaaS企業がAI技術を取り入れることで、競争力を高めていることが伺えます。
また、2024年には未開拓の領域におけるバーティカルSaaSの成長が期待され、特に農業や化学業界でのプロダクト数が急増する兆しが見え始めています。さらに、カーボンニュートラルの目標に向けたClimate Techの重要性も増しており、関連スタートアップの資金調達が続々と実施されています。
SaaSスタートアップの資金調達と市場動向
2024年のSaaSスタートアップにおける資金調達額は1357億円となり、前年比で5%の減少を見せました。これにより、スタートアップ市場の健全な水準が回復したと考えられます。特にSmartHRやダイニーといったミドル・レイター企業が大規模な資金調達を行い、その結果として1社あたりの平均調達額が前年より14%増加しました。
一方、上場SaaS企業のPSR(株価売上高倍率)は3.6xと横ばいの状態にあり、米国に比べ割安感が続いています。日本のSaaS企業が成長と収益のバランスにおいて優位に立っているにもかかわらず、評価は見劣りするという現状にあります。
未来を見据えたSaaSの進化
2025年に向ける視点では、「Agent as a Service」が注目されています。今後、ユーザーは自然言語でAIエージェントと直接対話し、バックエンドの複雑な開発作業が不要となる日が来ることが予想されています。この技術革新は、開発効率やユーザー体験を一新する可能性があります。
そのほかにも、SaaS企業によるAIの実装が進むことで、業務フローの自動化・最適化が進展することが期待されています。加えて、スタートアップ企業のセカンダリー取引やM&Aも活発になると見込まれています。
フルレポートのダウンロードとお知らせ
「Japan SaaS Insights 2025」のフルレポートは全50ページに渡り、詳細な分析やデータが含まれています。興味のある方は、One Capitalの公式ウェブサイトより無料でダウンロードできます。
また、One Capital Newsletterに登録すると、SaaSに関する最新情報やイベント情報が届けられますので、ぜひ訪れてみてください。
会社概要
One Capitalは、SaaSに特化したVCファンドを運用しており、出資者のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しながら、革新的なプロダクトの開発を行っています。
詳細は公式ウェブサイト(
onecapital.jp)をチェックしてみてください。