トプコンが新たに開発したモバイルスキャナー『D-H100』
概要
株式会社トプコンは、2025年9月に新ブランド「XYeeZ(エクシーズ)」から、最新のSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を搭載したモバイルスキャナー『D-H100』を発売することを発表しました。この製品は、特に測量や建設業界において重要な役割を果たすと期待されています。
SLAM技術の活用
SLAM技術は、自分の位置を把握しながら周囲の環境を同時にマッピングできる手法です。『D-H100』は「歩くだけ」で簡単に高精度な3Dデータの取得ができるため、狭い場所や複雑な構造物の測量でも、その能力を発揮します。特に、山間部や災害現場、そしてその他の難しい環境下でも適用でき、柔軟な対応が可能です。
2種類の計測スタイル
『D-H100』には、手軽に使用できるハンディタイプと、効率的に広範囲の計測を行えるバックパックタイプのオプションがあります。これにより、利用者は計測の目的に応じて最適なスタイルを選択できます。また、複雑な形状の建物や狭い施工現場でも、データをスムーズに取得することができます。
高精度とスマートな操作性
特に注目すべきは、小型ながらも高性能なスキャナーユニットを搭載している点です。このユニットは、最大320,000点/秒のスキャンが可能で、スキャン範囲は最大120mに及びます。さらに、Androidタブレットで動作する専用のフィールドソフト『D-H100 Field』を使用することで、データの取得からリアルタイム確認まで直感的に行えるため、計測漏れの心配がありません。
解析ソフトウェアとの連携
さらに、解析には『LiDAR360MLS』というPC用ソフトウェアを利用可能で、公共座標の取り付けやRTK/PPKによる詳細な解析が行えます。このように、計測データの利用が広がり、多様な現場での応用が期待されます。
新ブランド「XYeeZ」について
新しく誕生したブランド「XYeeZ」には、これまで培った技術を駆使して、高精度な測量機器を提供し、ポジショニング技術の進化を促進するという理念が込められています。ブランド名は、「座標」を示す「XYZ」と、「超越」を意味する「Exceeds」を掛け合わせており、「現実を超えるソリューション」を提供することを目指しています。ロゴデザインもその概念を視覚化しています。
価格情報
『D-H100』の国内標準価格は、ハンディタイプが4,400,000円、バックパックキット(オプション)が880,000円に設定されています。両モデルには、フィールドソフトと解析ソフトが含まれており、詳細なサポートが受けられます。今後、トプコンはDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて、建設業界の働き方改革と生産性の向上に寄与していく考えです。
まとめ
トプコンのモバイルスキャナー『D-H100』は、SLAM技術を用いた新しいアプローチで、計測の未来を切り開く製品です。簡単に効率的なデータ収集が可能になり、リアルタイムでの応用も進む中、今後の展開が非常に楽しみです。また、建設現場のニーズに応じた柔軟な対応能力により、業界全体の生産性向上につながることが期待されています。