木造建築の未来
2025-10-31 17:39:05

小さな工務店が切り拓く木造建築の未来─岐阜県可児市の挑戦

小さな工務店が切り拓く木造建築の未来



岐阜県可児市に本社を置く株式会社丸亀工務は、わずか15人の従業員で運営される小さな水道・土木工事会社です。 2025年2月に完成した新社屋「SORATAKA lab」が、2025年度のグッドデザイン賞を受賞したことが発表されました。この受賞は、単にデザインの美しさだけでなく、地域産業の復興や新たな技術への挑戦としても意義深いものです。

新社屋の特徴と技術的革新



この新しい社屋は、東濃ヒノキを使った「液体ガラスの含浸加工」という特殊な技術によって生まれました。この工法は、東濃ヒノキの弱点である日光や風雨による劣化を大幅に減少させるもので、通常の木材よりも優れた耐久性を持つ建材へと生まれ変わらせます。その結果、従来の木造建築の設計の常識を覆すことが可能になり、斬新な「反り屋根」というデザインが実現しました。

この反り屋根は、寒冷地域である可児市に適した設計で、冬の時期でも太陽の光を十分に取り込むことができるようにされています。屋内に詰まった光とヒノキの香りは、訪れる人々に心地よさを提供し、温かみのある空間を演出しています。

地元産業への恩返し



丸亀工務の代表、古藤義之社長は、地域で30年間育てられた恩返しとして、地元の産業復興に貢献したいという強い創業理念を持っています。地元特産の木材を利用することで、地域経済の活性化を図ろうとする意図が込められています。この新しいアプローチによって、東濃ヒノキの需要増加が見込まれ、地域産業に新たな活路が見出されることを期待しています。

審査員の高評価



グッドデザイン賞の審査員は、「液体ガラスを使った木材の処理により、日焼けや腐食に強い高耐久材を実現し、それによって反り屋根や全面ヒノキ貼りの外壁といった意匠が可能になった」と評価しています。また、広い開口部から差し込む光とヒノキの香りに包まれた空間は、地域性と素材の美しさを表現しているとされています。築かれる空間は単なる実験施設ではなく、細部にわたって丁寧に仕上げられた高完成度の建築物であり、訪れる人々に木の力を新たに実感させるものとなっています。

今後の展望とイベント



丸亀工務は、今後も地域産業の復興に向けた取り組みを強化し、さらなる技術革新を進めていく考えです。また、2025年度グッドデザイン賞受賞作品は、2023年11月1日(土)から5日(水)まで東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」にて展示される予定です。このイベントを通じて、より多くの人々に地元の魅力や新技術に触れてもらう機会を提供したいと考えています。

会社概要



株式会社丸亀工務は、1992年に創立され、長年にわたり管渠埋設工事を中心に実績を重ねてきました。地域の皆様に安全で快適な暮らしを提供し続けることに誇りを持ち、今後はガラスコーティングを活用した建材の耐久性向上にも力を入れていく予定です。 地域産業の新たな可能性を信じ、さらなる挑戦を続けていく丸亀工務の動向に、今後も注目です。


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会社情報

会社名
株式会社丸亀工務
住所
岐阜県可児市下切3316−2
電話番号
0574-50-7085

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