ベクスト、Microsoft AI Co-Innovation Labを活用した新たなテキストマイニング技術の開発
はじめに
テキストマイニングは、ビジネスにおいて重要なデータ分析手法として知られています。しかし、従来のテキストマイニングは熟練した専門家に依存せざるを得ない課題がありました。これに対処するために、ベクスト株式会社は新たにAIエージェント型テキストマイニングの技術開発に乗り出しました。この取り組みは、2025年5月2日にスタートし、Microsoftの技術支援を受けながら進行しています。
開発の背景
従来のテキストマイニングの課題には、専門知識がないと分析結果が解釈できない、分析に時間がかかるといったものが挙げられます。このような背景から、ベクストはAIエージェントとテキストマイニングツールの統合を試みました。この技術の利用により、AIエージェントが自らテキストデータを分析し、結果を他のエージェントに伝える形で業務改善につながるインサイトを得ることを目指しています。
AIエージェント型テキストマイニングの仕組み
本技術は、MicrosoftのSemantic Kernelフレームワークを基に構築されています。具体的には、AIエージェントが操作するテキストマイニングツールを利用し、データ解析の効率を大幅に向上させます。開発プロセスでは、以下の二つの主要なワークストリームが実施されました。
1.
Workstream 1: エージェントの実装
この作業では、SKを利用したエージェント開発が行われました。Azureリソースの準備やチャット履歴の管理を行い、MCP呼び出しの仕組みを実装するコンソールアプリが作られました。
2.
Workstream 2: PoCアプリの開発
分析ニーズに応じたPoCアプリが構築され、大量のデータにアクセスするためのエージェントを用いたRecherche Augmentée Generative(RAG)の仕組みを確認しました。これにより、ユーザークエリに応じた適切な位置からデータが引き出され、分析結果が生成されることが確認されました。
取り組みの成果と今後の展望
今回の実施を通じて、多くの知見が得られ、特にエージェントフレームワークの柔軟性が実感されました。この成果を基に、さらなる機能の追加や実際のビジネスシーンへの適用を目指し、引き続き開発を進めていく予定です。これは、テキストマイニングの利用を専門家だけに留めず、より多くの人々がデータに基づいた意思決定を行える未来を築くための一歩となるでしょう。
Vext Tech Conferenceのご案内
ベクストは、テキストマイニングに関する最新情報を広く共有することを目的に、「Vext Tech Conference」を開催します。このセミナーでは、AIエージェント型テキストマイニングの技術開発やビジネス活用について深く掘り下げ、参加者に新たな知識を提供することを目指しています。詳細は、公式サイトをご覧ください。
会社概要
ベクスト株式会社は1996年に設立され、テキストマイニング専門のソリューションおよびコンサルティングを手掛けています。同社のVextMinerは、金融や製造業など、多くの業界で高く評価されています。今後も革新的な技術開発を続け、企業の知的生産活動を支援していくことでしょう。