生徒たちの挑戦と成果
大阪府枚方市に位置する常翔啓光学園高等学校から、環境と健康を両立させる革新的なアイデアが生まれました。学校の2年生である竹澤太智さん、大西洋平さん、久保田奈津さん、松田初穂さんがチームを組み、ビジネスプランコンテスト「第12回高校生ビジネスプラン・グランプリ」に参加しました。このコンテストは、日本政策金融公庫が主催し、全国の高校生と高等専門学校生を対象としたものです。彼らは、全国からの応募の中からベスト100という素晴らしい結果を残しました。
「SustainaBrush」- 環境に優しい新しい歯ブラシ
彼らが考案したビジネスプランのタイトルは、「SustainaBrush(サステナブラシ)」です。このプランは、プラスチックゴミの削減を目的としたもので、持続可能な社会の実現を目指しています。具体的には、環境に配慮した素材を使い、口腔ケアも同時にサポートする新しい歯ブラシの開発に取り組んでいます。
社会課題に向き合うプラン
生徒たちが真剣に取り組んだのが、環境問題と健康問題という2つの社会課題に向き合うことです。年間約7000トンものプラスチック製歯ブラシが廃棄される現状を踏まえ、彼らは使い捨ての頻度を減らすアイデアを考案しました。このプランでは、歯ブラシのボディ部分をステンレス製にし、ヘッド部分の交換のみで使用可能としています。このようにすることで、従来の歯ブラシに比べて環境にも優しく、持続的な使用が可能です。
市場調査と実務者へのヒアリング
プランの検討にあたっては、市場調査やマーケティング、販売戦略だけでなく、歯科クリニックや製造工場、医療機器部品製造会社の実務者へのヒアリングも行い、実際の意見を取り入れました。このプロセスを経て、生徒たちはプランの精度を高め、ビジネスとして成立するかどうかの検証に力を入れました。特に、収支計画の策定には非常に苦労したそうです。
学びと成長の経験
この4か月間の取り組みを通じて、生徒たちは多くのことを学びました。竹澤さんは、「魂を削って取り組んだ」と語り、その経験が大きな成長につながったと話しています。また、大西さんは、具体的な収支計画を考えることの難しさを実感し、実際のビジネスの厳しさを理解したそうです。在校生たちのコミュニケーションも強調され、久保田さんは仲間との意見交流が視野を広げる助けになったと述べています。
未来を見据えた教育
常翔啓光学園中学校・高等学校は、「現場で活躍できる専門職業人」を育成することを目指し、多様なキャリア教育プログラムを提供しています。生徒たちが自らの力で社会課題に取り組み、実践的なビジネススキルを身につけることができるようにしているのです。
今回のコンテストを通じ、今回初めてエントリーしたにも関わらずベスト100に選ばれたことは、学校にとっても大きな誇りです。今後も、このような挑戦が続くことを期待したいと思います。彼らの努力が、今後の社会にどのような影響をもたらすのか、楽しみです。