CMO調査レポート2024が示すマーケティングの未来
株式会社電通デジタルは、「CMO調査レポート2024:CX版」を発表しました。このレポートは、電通グループのエージェンシーブランド「Merkle」によって実施され、世界13市場のCMO約1900名を対象にした調査結果をまとめたものです。
マーケティング環境の変化
2024年は、市場環境が変わり続ける中、CMOが新たな戦略の模索を行う年となっています。調査によると、51%のCMOがビジネス成長に向けた新たな取り組みを進めており、特にデジタルCX(カスタマーエクスペリエンス)向上への投資が積極的に行われています。
CMOの63%は、新たなエクスペリエンスを提供し、ターゲット顧客層を拡大する方向性を強めています。これは、CXがマーケティング戦略の中心に置かれていることを示しており、企業は顧客との接点を増やし、より良い体験を提供することに注力しています。
日本のCMOの特異性
特に注目すべきは、日本のCMOの役割の独自性です。他の地域と比べて、より広範なマーケティング責任を担う傾向が見られ、これは日本市場特有の課題に起因しています。日本のCMOは、地域のニーズを考慮しつつ、デジタル化の進展に対応する必要があります。
CMOの未来視点
この調査結果は、CMOがDX(デジタルトランスフォーメーション)やCXへの投資を強化する姿勢をもつことを示しています。特に、64%の企業がデジタル推進に向けた課題を抱えている中で、70%がDXを阻害する要因として組織の制約を挙げています。ただし、89%のCMOは2025年に向けてマーケティング予算の増額を見込んでおり、これは将来への期待が高いことを表しています。
洞察力のあるCMOの台頭
驚くべきことに、調査では「パースペクティブCMO」の登場が示されています。これは、消費者のビジョンと一致する新たなCMOのグループであり、生活者インサイトに基づいて行動する姿勢を持っています。企業がCXを向上させるためには、こうした新しい考え方が不可欠です。
終わりに
電通デジタルの副社長である杉浦友彦氏は、「この報告書を通じて、CMOがCXの重要性を理解し、持続可能な成長を実現するためのパートナーシップとイノベーションの力を信じることができると考えています。」と述べています。今後も企業は、CXを重視したマーケティング戦略を進め、競争力を高めていくことでしょう。
この調査の詳細なレポートは、公式サイトからダウンロード可能です。