甘草の栽培技術
2011-04-18 13:30:01
甘草栽培技術の確立と中国企業との新たな共同研究の成果
甘草の栽培技術を確立した株式会社ツムラ
株式会社ツムラは、漢方薬の重要な原料となる甘草(カンゾウ)の栽培技術を中国の企業や大学と共同で確立しました。この研究には、中国医薬保健品股份有限公司(中国医保公司)や北京中医薬大学が参加しており、成果は特許権の登録にまで至りました。これにより、甘草の安定供給に向けた新たな道が開かれました。
甘草の現状とその課題
甘草は、医薬品、食品、化粧品など幅広い分野で使用される生薬です。しかし、現在の甘草は中国北部の乾燥地帯に自生するものに大きく依存しており、需要が増す中で乱獲が進むことが懸念されています。特に砂漠化や資源枯渇の問題は深刻であり、持続可能な栽培技術の確立が急務となっています。
10年の共同研究の成果
ツムラは2001年から中国において甘草の栽培化に向けた共同研究を進めてきました。この研究の過程では、多様な栽培条件を試し、その結果、医療用漢方製剤に必要な成分量を満たすことができる栽培技術を完成させました。特に、グリチルリチン酸の含有量が重要視される中、1年3か月の生育期間で平均3.5%以上を達成し、野生甘草と同等の品質を確認しました。
特許権の取得と今後の展望
この栽培方法に関する特許権は、中国特許庁より正式に承認を受け、手続きが完了しました。株式会社ツムラは、特許権の実施許諾要請に対して、中国医保公司や北京中医薬大学と連携し、無償で許諾する方針を示しています。また、大規模栽培を見据えた機械化の研究も進めており、今後の運用に向けて具体的なプランを固めています。
生薬資源の保護に向けて
株式会社ツムラは、今後も野生生薬の栽培化を推進しながら、生薬資源の保護や環境問題への取り組みを続けていく考えです。持続可能な方法での甘草の栽培は、環境保護にも寄与する重要なステップであり、日本や海外での需要に応えるための価値ある取り組みとなるでしょう。
会社情報
- 会社名
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株式会社ツムラ
- 住所
- 東京都港区赤坂二丁目17番11号
- 電話番号
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