PHCとサイフューズが新たな生産技術を開発
日本のカンパニーであるPHCホールディングスの傘下にあるPHC株式会社と、再生医療分野で注目を集める株式会社サイフューズが手を組みました。両社は、再生医療分野における商業化を視野に入れた業務提携と共同研究の結果、新たな3D細胞製品の生産技術を開発しました。
生きた細胞をリアルタイムでモニタリングする技術
この新しい技術は、これまで技術的に難しいとされていた「生きている細胞」と「立体的な細胞」の品質をリアルタイムでモニタリングすることを可能にします。これによって、細胞製品の品質の向上や安定的な製造が見込まれるのです。
具体的には、サイフューズが提供する独自の技術「バイオ3Dプリンティング」によって製造された三次元細胞構造体と、PHCが開発中の自動培養装置「LiCellGrowTM」に搭載されているIn-Lineモニタリング技術を活用します。この組み合わせにより、細胞の培養環境を最適化され、より高品質な細胞製品の製造が実現するというわけです。
循環培養装置での品質評価
PHCとサイフューズはこの技術を実装した循環培養装置を作成し、製造プロセスにおける重要なパラメータを特定することに取り組んでいます。細胞の状態をリアルタイムで把握し、製造プロセスをその状態に応じて最適化できる可能性があり、これが市場における競争力を高める鍵となるでしょう。
将来的には、サイフューズが開発している3D細胞製品など、立体的に培養された細胞の品質と安定性を向上させることが期待されています。
さらなる研究開発の推進
両社はすでに2025年3月に開催される予定の「第24回日本再生医療学会総会」で、三次元細胞構造体の品質向上を目指した循環培養装置の開発成果を発表する予定です。この機会を通じて、同技術が持つ可能性を広く認知されることを目指しています。
PHCとサイフューズは今後も、循環培養や他の生産技術の実用化に向けた共同研究を継続的に進めていく方針です。両社のパートナーシップは、成長市場におけるバリューチェーンを拡充する上で重要な役割を果たすと考えられています。
PHCは自動培養装置「LiCellGrowTM」を開発しており、サイフューズは「Regenova®」という3Dプリンタを展開しています。これらの技術が共同で進化することにより、再生医療に革新をもたらす日が近づいているのです。
このように、PHCとサイフューズが手を組むことで実現する新しい技術は、再生医療の現場における様々なニーズに応えることを目指しています。企業間の連携を強化しながら、更なる成長を目指して蓄積される知識や経験が、今後の再生医療の未来をより明るいものにすることでしょう。