マンションの未来を考える
築40年超のマンションが急増中の現代、私たちの住まいをどう守るかが重要な課題となっています。ヤシマ工業株式会社は、長寿命化と資産価値維持をテーマにした書籍『愛されマンションの育て方シン・マンション100年化計画』を発刊しました。この書籍は、マンションの実践的な維持方法を提案し、私たちが抱える住宅問題を考えるきっかけとなります。
現在のマンション問題
日本国内において、築40年以上の分譲マンションが約148万戸存在し、2044年にはその数が3.3倍になると予想されています。このような増加に伴い、修繕や維持管理に関する問題が深刻になっています。しかし、実際には建て替えが難しいという現実があるのです。建設費の高騰や住民間の合意形成が困難なため、選択肢として「建て替え」が極めて限定的になっています。そこで、本書は「壊して建て替える」考えから「使い続ける」という発想転換を促しています。
修繕の現実とコミュニティ作り
ヤシマ工業が長年取り組んできた経験から、建物の修繕には様々な課題があり、単に技術的な修繕では解決できないことが多いということが分かっています。例えば、費用への不安や、将来への見通しの違いが住民の話し合いを妨げることもしばしばです。しかし、適切なタイミングでの修繕と住民同士の合意が得られたマンションは、資産価値の向上に繋がっています。要するに、建物の寿命はその構造だけでなく、住民の意識や行動にも大きく依存しているのです。
健康寿命としての考え方
ヤシマ工業は、建物にも人と同様に「健康寿命」を考慮すべきだと提唱しています。寿命の延びた建物がただ存在するのではなく、長期的な維持や改善を重ねることが、資産価値を保ち続ける鍵となります。本書は、その具体的な指針を示しているのです。
著者の思い
著者の西松社長は、「マンションは人の暮らしの集合体」であり、建物の長寿命化は一人一人の意識や行動に依存していると話します。この書籍が読者にとって、マンションの未来を考えるきっかけとなり、結果として建物の未来も変わる循環を生むことを願っています。
未来へのビジョン
ヤシマ工業は、スクラップ&ビルドの時代から、1つの建物を大切に長く使う時代への移行を目指しています。1804年の創業以来、一貫して「壊さないことへの挑戦」をテーマにしてきた同社は、今後も大規模修繕工事に留まらず、建物の価値を維持するための情報提供や仕組み作りに努めていく予定です。本書の出版を契機に、「マンションを使い続ける」という考えが広まり、持続可能な住まいづくりに貢献できることを願っています。
書籍情報
- - 著者: ヤシマ工業株式会社代表取締役社長西松みずき
- - 発行者: 大畑数倫
- - 発行所: 株式会社近代セールス社
- - 発行日: 2026年3月17日
ヤシマ工業について
ヤシマ工業は、建物の長寿命化に特化した総合改修工事会社として220年の歴史を有し、5,000棟以上の大規模修繕を手掛けてきました。人生100年時代において、ただ生き延びるだけでなく健康に長生きすることの重要性は、建物にも当てはまります。古くても愛される建物を目指し「建物に、健康寿命を。」というスローガンを掲げています。