中小企業における人的資本経営の実態調査
クラウド型人事労務システム『ジンジャー』を展開するjinjer株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:桑内孝志)は、中小企業における人的資本経営に関する実態調査を行いました。この調査は、中小企業の人事担当者302名を対象に、人的資本経営がどのように実施され、どんな課題が存在するのかを明らかにすることを目的としています。
調査の背景
企業の競争力を高めるために、人的資本経営はますます重要視されています。特に中小企業は、採用難や人手不足などの問題に直面しており、効果的な人材管理は経営戦略の成功に大きく寄与します。しかし、人的資本経営への取り組みが進む中で、その実態と課題についての理解が乏しいという状況が浮き彫りになっています。この調査を通じて、実情を把握し、今後の戦略的な人材管理の指針を探りたいと考えています。
調査の概要
- - 調査方法:インターネット調査
- - 調査期間:2024年8月26日~27日
- - 調査対象:中小企業の人事担当者302名
調査結果のハイライト
調査結果によると、人的資本経営を重要視している企業は約58%に達しましたが、人的資本情報の可視化や開示に取り組んでいる企業はわずか11%にとどまるという現実が明らかになりました。つまり、多くの企業が人的資本経営を重要視しつつも、具体的な行動が伴っていない状況が示唆されています。
人事部の運営体制
人事部の運営体制についての質問では、最も多い回答が「4名以上(32.5%)」という結果でした。これは、一定の規模を有する中小企業であれば、人的資本を戦略的に扱う体制が徐々に整いつつあることを示しています。
可視化・開示の実態
人的資本情報の可視化については、12.3%の企業が情報を開示していると回答しました。一方で、多くの企業は「重要な項目を可視化しているが、情報は開示していない」という状況にあります。このことは、企業が人的資本経営に向けた準備を進めているものの、実際の施策には至っていないことを示しています。
取り組みの動機と目的
可視化や開示を進める目的として最も多かったのは「経営戦略実現に向けた人材戦略策定のため」であり、次いで「適切な人事評価を行うため」との回答が続きました。また、可視化を始めたきっかけには、エンゲージメント向上や離職率低下の目的が多く見られました。
課題と今後の展望
ただし、人的資本経営を推進する上での課題も多く、特に「業務過多で優先順位が上がらない」や「採用難」といった現実が挙げられました。これらの突発的な問題が優先され、人的資本経営の実施に支障をきたしていることが伺えます。
jinjerからのコメント
この調査結果から、人的資本管理の重要性は高まっている一方、それを実現するためには業務の見直しや時間の確保が不可欠であることが浮き彫りになりました。今後は、もっと多くの中小企業が人的資本情報の開示や経営戦略への統合に取り組むことが期待されます。また、今後、人的資本の開示が義務化される中で、中小企業がどのように対応していくのかが注目されます。
「ジンジャー」は人事業務を効率化し、戦略的な人材管理をサポートするために設計されたシステムです。今後も、企業が効果的に人的資本経営を実施できるよう、引き続き開発と支援を進めてまいります。