2025年夏ボーナス調査:若手社員の「静かな退職」が増加する背景
株式会社MS-Japan(以下、MS-Japan)が実施した「2025年夏のボーナス」に関する調査について、今回の結果を詳しく見ていきましょう。調査は全国の管理部門・士業人材を対象に行われ、支給額の傾向や労働意識の変化が浮き彫りになりました。
支給額の実態は?
最初に注目すべきは、ボーナスの支給額です。調査の結果、ボーナス支給があると回答した人は67.3%で、そのうちの約54.9%が「80万円未満」の支給額を報告しています。しかし、全体の35.8%が「100万円以上」と高額の支給を受けている層もおり、企業規模や役職などでの差が見られます。
前年との比較では、37.6%の人がボーナスが「増えた」と感じており、39.4%は「変わらない」と回答しましたが、22.9%は「減った」とのこと。約4割が前年よりも高い支給額を実感しています。
支給額に対する不満
興味深いのは、ボーナス支給に関する納得度です。なんと全体の43.2%が支給額に対して不満を抱いているとのこと。一方で、満足していると回答したのは35.6%にとどまり、多くの人が給与に対する期待と現実のギャップを感じていることがわかります。
物価高と消費行動の変化
顕著なのは、物価上昇による影響です。調査では61.9%が「消費を抑えるようになった」と回答。物価高が生活に与える影響は深刻で、特に「消費が増えた」と感じる人はわずか4%に過ぎません。物価上昇の影響で、家計が圧迫されていることが浮き彫りになりました。
ボーナスと転職意識
ボーナスを機に転職を検討した経験者は38.3%に上っています。「転職したことがある」という人も14.1%おり、さらに24.2%が「検討したことがある」と答えています。この数字は、労働市場での流動性が高まっていることを示唆しています。
「静かな退職」の実態
最近注目を集めている「静かな退職」についても調査が行われました。普段の働き方を尋ねると、15.2%が必要最低限の業務のみをこなす状態を示しており、また12.5%が早く退職したいと感じています。特に若い世代、20・30代の間では「静かな退職」の実践者が24.1%に達しており、企業はこの傾向に対処する必要があります。
まとめ
MS-Japanの調査からは、ボーナスの支給額に対する不満や物価高の影響が顕著であり、若い世代を中心に「静かな退職」が進行していることが見えました。企業は、社員のモチベーション向上やエンゲージメント向上への取り組みを強化しなければならないでしょう。
詳細な調査データについては、
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