伝統と革新の融合：近畿大学との共同開発による新お香の誕生

江戸時代から続くお香の製造の歴史を誇る株式会社梅栄堂（大阪府堺市）が、近畿大学と手を組み、新たなお香2種類を開発しました。これらは2025年7月27日から販売される予定です。新商品の名は「蓬甘慈香（ほうかんじこう）」で、白檀と桂皮を用いた2種類がラインナップされています。

オーソドックスな香りを現代に

「蓬甘慈香白檀」は、蓬（ヨモギ）と甘草（カンゾウ）を基にし、白檀の香りを引き立てています。これにより、爽やかさが感じられる一品に仕上げました。一方で、「蓬甘慈香桂皮」は甘みを強調した商品で、煙が控えめなのが特徴です。どちらもリラックス効果を持ち、日常のストレスを和らげる役割を果たすことを期待されています。

蓬と甘草：生薬の力

蓬（ヨモギ）は多くの効能を持つ植物とされ、デトックス効果やホルモンバランスを整える力があるとされています。そのため「ハーブの女王」と称され、多くの歴史を持つ生薬として知られています。甘草（カンゾウ）もまた、独特の甘味を持ち、漢方などで広く用いられています。これらの生薬は、梅栄堂の新製品の特長として大きな魅力となっています。

共同開発の過程

新商品の開発にあたっては、近畿大学薬学研究所の森川敏生教授や、白木琢磨准教授による質量分析が行われ、これにより新しく採用された生薬が的確に配合されていることが確認されました。大学の学生たちの協力も得て、お香づくりからパッケージデザインまで様々な意見を取り入れ、開発が進歩しました。常に新しい価値を提供し続ける梅栄堂の姿勢が伺えます。