松田将英の個展「Great Reset」に迫る
東京都中央区銀座に位置するマイナビアートスクエアで、2025年6月11日から8月9日まで、アーティスト松田将英の個展『「Great Reset」ーポスト太陽フレア時代における再起動プロトコルー』が開催されます。本展は、現代社会が太陽フレアによって直面する可能性のある新たな状況をテーマに据えています。
アーティスト松田は、過去にデジタル記号や言語を物理的な空間に引き出し、その新たな意味を考察する作品を数多く発表してきました。特にパンデミックの影響を受けた社会において、異なる形でのコミュニケーションやつながりを模索してきた松田は、今展でもコロナ禍から生まれた「オフラインモード」を新しい社会のあり方として示します。
新たな社会におけるアートの役割
本展では、アーティストが描く未来のシナリオとして、強力な太陽フレアが起こり、通信手段やインフラストラクチャーが一時的にシャットダウンする状況を想定しています。この「フレア禍」という概念を通じて、松田は私たちが日常生活でどのようにつながっており、そのつながりが失われたときに何が起こるのかを探求します。
松田は自身の作品を通じて、自己理解や他者との関係についての気づきを鑑賞者に提供することを目指しています。「Great Reset」というタイトルも、過去の経済的懸念から発展した概念であり、さまざまな解釈が存在する内容を持っています。これを通じて、松田は観る人々に新たな認識や思考を促します。
アートの批評性とユーモア
本展では、単なる視覚的な体験を超え、松田がアートに組み込んだ批評性やユーモアが重要な要素として機能します。展示室は都市を見渡せる位置に設置され、アルゴリズムやAIに頼ってきた私たちが、どのように自らの感覚や価値観と向き合うかを問いかけてきます。これにより、鑑賞者はアートを通じた新しい自己の探求のプロセスに参加することとなります。
アーティストの背景
松田将英は1986年静岡市に生まれ、現在東京都に在住。彼は、テクノロジーと生命の関係について新たな視点を提供するアーティストとして知られています。ポストデジタル社会を舞台に、松田は常に新しい表現に挑戦し続け、多様な言語や記号を巧みに扱って人々の認識を揺さぶります。彼の作品は、私たちが抱えるさまざまな問題を考察するきっかけを与えてくれるでしょう。
マイナビアートスクエアについて
マイナビアートスクエア(通称:MASQ)は、2023年に開設された新しいアートスペースです。この場所は、学生、ビジネスパーソン、企業、教育機関とアーティストとの交流を促進することを目的としています。アートは、柔軟で主体的な思考を育む手段として、さまざまなプログラムを展開しています。
展覧会に参加することで、アートが持つ力や可能性を体感し、新たな視点を得ることができるでしょう。入場は無料で、ぜひ多くの方に足を運んでいただきたい展覧会です。