産業革新投資機構が新たに8,000億円規模のPEファンドを設立
株式会社産業革新投資機構(JIC)は、2023年11月1日に新たなプライベート・エクイティ(PE)ファンドを創設することを発表しました。この新ファンドは、メインとなるJIC PEファンド2号と、大型案件向けの共同投資を目的としたJIC PE共同投資ファンド2号の2つのファンドで構成され、全体の規模はなんと8,000億円に達します。
JIC PEファンド2号とは
新た実施されるJIC PEファンド2号は、成長を見込む分野に特化して投資を行うことを目的としています。このファンドでは、業界再編、成長投資、そして民間ファンド主導による事業再編の3つのテーマに沿ってリスクマネーを供給していく予定です。これにより、特に設備投資が必要な製造業やGX/DX分野の企業に対しても積極的に資金を提供し、経営改革を後押しします。
国内産業の競争力強化に向けた意義
日本におけるリスクマネーの供給者は増加傾向にありますが、特に製造業や成長が期待される業種に対する大規模な成長投資はまだ不十分です。JICの広範なファンド設立は、これらのニーズに応えるための重要な一歩といえるでしょう。また、国内外のプライベートエクイティファンドの投資が限定的である中で、JICは社会課題の解決に貢献する製造業への投資を強化することを目指しています。
「業界再編」「成長投資」「事業再編」の3つの軸
新ファンドの投資テーマは、以下の3つです:
1.
業界再編:業界内外の構造改革を推進して、産業競争力を高めることを狙います。
2.
成長投資:革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業に資金を供給し、彼らをグローバルリーダーに育てることを目指します。
3.
事業再編:日本企業の経営課題を解決し、財務状況の改善を促進します。
これらのテーマを基に、民間ファンドとの協調投資を進め、より効果的な資金供給を実現していく所存です。
中長期的な視点と教育へのコミットメント
JICは、単に資金を供給するだけではなく、長期的な視点でのリスクマネーの流通を促進し、産業全体の強化に資することを重視します。また、投資プロフェッショナルの育成にも力を入れ、次代の投資リーダーを育てる重要な役割を担うことを目指します。
株式会社産業革新投資機構(JIC)は、2018年の設立以来、産業競争力を強化するための様々な取り組みを進めており、新たなPEファンドの設立はその一環として位置付けられています。今後の投資活動を通じて、日本の産業の国際競争力を引き上げるべく、さらなる努力を続けていくことでしょう。