個人投資家のAI・半導体株志向が鮮明に
株式会社日経BPが発行する「日経マネー」は、2026年4〜5月に実施した「個人投資家調査2026」の結果を発表し、最近の投資トレンドに新たな光を当てています。調査によると、日経平均株価が高値圏にある中で、個人投資家は人工知能(AI)および半導体関連株を中心とした大型株への選好が顕著であることが分かりました。特に、国の政策として注目されている「サナエノミクス」に関連した銘柄に対しても関心が高まっているようです。
調査は毎年春に実施され、今年は7509人からの有効回答が集まりました。この調査は日本最大級の個人投資家調査として位置付けられており、今回で20回目を迎えています。調査結果を基にした特集「7500人調査で分かった!増やし方&守り方勝者の投資術」は、2026年6月19日に発売予定の『日経マネー2026年8月号』に掲載されます。
個人投資家の投資スタイルに関する問いに対しては、「高配当・優待狙いなどの利回り投資」が最も多く、全体の約22%を占めました。続いて「大型株・優良株中心の王道投資」が約20%で、過去の調査と比較すると投資スタイルの変化が見受けられます。
高配当・優待株が支持されている背景には、東京証券取引所が進めている資本効率の改善や上場維持基準の厳格化といった市場改革が影響しています。これにより、多くの企業が増配や株主優待制度の新設を発表しており、株主還元を強化する動きが後押しされています。
また、AI・半導体関連株への投資意欲も高く、特にこの分野は25年後半から急成長を遂げています。日経半導体株指数は2025年初頭から2026年5月末までに約3倍に上昇し、これに伴い個人投資家もその利益を享受しています。このような流れの中で、自由回答には、半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスなど、株価が50倍を超えた銘柄での利益エピソードが多数寄せられています。
2026年もAI・半導体関連株の人気は続くと見られています。「政府が掲げる『戦略17分野』の中で注目しているテーマ」という質問では、54%の回答者が「AI・半導体」と答えており、相場の過熱感が指摘される中での投資家の期待が伺えます。次点に「防衛産業」が約32%、続いて「資源・エネルギー」「航空・宇宙」がそれぞれ約24%、23%という結果です。
また、AIツールを銘柄選びや売買判断に活用する投資家も増えており、調査では全体の4割以上がこのAI利用を行っていると答えています。特に若年層のAI利用率は顕著で、10〜20代では67%、30〜40代でも56%。一方で、50〜60代は39%、70代以上は22%に留まっており、世代間でのギャップが明らかになっています。
さらに、少額投資非課税制度(NISA)の利用率も高く、回答者のおよそ91%がこの制度を活用していると回答。利用率は前年より3ポイント上昇し、つみたて投資枠と成長投資枠を併用する投資家が全体の約60%を占めています。NISAの年間利用予定額は、つみたて投資枠が平均78.9万円、成長投資枠が平均170.3万円と、投資意欲の高まりを示しています。
この調査は毎年行われるものであり、個人投資家の運用成績や投資スタイルを把握する重要な資料となっています。2026年の調査は、4月10日から5月6日にかけて実施され、7509人の有効回答が得られました。今後もこのような調査を通じて、個人投資家の動向を探ることが期待されます。