瀬戸内海の息吹が育む「アート県」香川
「Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)」2024年7月号増刊「香川」が7月1日に発売されました。
本誌では、いま「アート県」として親しまれている香川県の魅力を、多角的に掘り下げています。瀬戸内国際芸術祭の開催地として知られる香川県ですが、その魅力は芸術祭だけではありません。
画家・猪熊弦一郎、建築家・丹下健三、彫刻家・イサム・ノグチなど、多くのアーティストが香川県と深く関わってきました。彼らの作品や活動は、香川県の文化や風景に息吹を与え、今日まで受け継がれています。
さらに、彼らと交流を深め、香川県のまちづくりに貢献した当時の県知事、金子正則の功績も、アート県と呼ばれるようになった背景を物語っています。
暮らしとアートが織りなす風景
香川県のアート文化は、単に芸術作品が存在するだけでなく、人々の暮らしと密接に結びついています。
例えば、屋島の麓にある「四国村ミウゼアム」は、四国中から集められた30以上の民家と、人の営みから生まれた民具が展示されています。これらの建物や道具は、長い年月をかけて人々の暮らしを支えてきた証であり、アート文化の源流を感じることができます。
建築家・山本忠司の最高傑作「瀬戸内海歴史民俗資料館」
香川県の中央部に位置する五色台には、建築家・山本忠司の代表作である「瀬戸内海歴史民俗資料館」があります。山本は、香川県の風土や歴史を深く理解し、この地に根ざした建築を追求してきました。
資料館は、外壁に地元産の安山岩を使用し、瀬戸内の漁業、農業、石文化など、様々な地域文化を表現しています。建物全体から、アート県香川の暮らしを体感することができます。
「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」が語るアートと社会
香川県の中讃エリアにある「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」は、世界的に活躍した画家・猪熊弦一郎の遺産と意思を受け継ぎ、地域に根ざした美術館として誕生しました。
美術館は、現代アートという言葉がまだ一般的ではなかった時代、人々がアートに触れる機会を提供するため、地域住民との交流を重視した設計がなされています。
アートな土産で旅の思い出を
香川県出身の画家、和田邦坊は、「どうだ明くなつたろう」のセリフで有名な「成金栄華時代」の作者として知られています。
和田は、画家としての活動だけでなく、商業デザイナーとしても活躍し、香川県の菓子のパッケージや包み紙のデザインも数多く手掛けてきました。
彼の作品は、親しみやすく、可愛らしいデザインで、お土産として持ち帰るのに最適です。香川県を訪れた際は、ぜひ和田邦坊のデザインされたお菓子を探してみてください。
「Discover Japan」が伝える香川の深淵
「Discover Japan」は、日本の文化や歴史、人々を紹介する雑誌です。
本誌では、香川県の歴史、文化、暮らし、そしてアートの魅力を、美しい写真と読み応えのある文章で紹介しています。香川県への旅の計画や、アートに興味がある方にとって、貴重な情報源となるでしょう。