日本の小説を世界へ広げる新たな試み
2025年、一般書籍部門で世界第2位を誇るグローバル出版社、ハーパーコリンズ・パブリッシャーズの日本法人、株式会社ハーパーコリンズ・ジャパンが10周年を迎えました。この節目の年に、国内作家の作品を中心にした新レーベル〈ハーパーBOOKS+〉が創刊されることが発表され、注目が集まっています。新しいキャッチコピー「世界でめくれ。」のもと、多彩な日本の文学を発信することで、国内外の読者に新たな視点を提供することを目指しています。
新レーベルの誕生と展望
ハーパーコリンズ・ジャパンは2015年に設立され、以来「世界をめくれ。」をテーマにベストセラー小説の数々を刊行してきました。その成功を受け継ぎつつ、今後は日本の独自の魅力を引き出す作品に特化した新たなレーベルが開設されることになりました。この新たなレーベルは、海外出版も視野に入れた視点から日本の面白い書籍を発掘し、全世界の読者に届けていくことを狙いとしています。
目玉作品の発表
新レーベルのプレ創刊は2025年3月に行われ、その際にラインアップされるのは注目の2作品です。
『にじゅうよんのひとみ』吉田恵里香
この作品は、吉田恵里香の人気作で、彼女が脚本を担当した『虎に翼』のオリジナル小説として待望の文庫化が実現。物語の主人公ひとみは、24歳の誕生日を迎えた夜、幼少期の自分自身が現れるという不思議な状況に陥ります。彼女はこのミラクルな出来事を通じて、自分の人生に埋もれた未練を解消していく姿が描かれています。
定価は820円(税込)、274ページで2025年3月25日に発売予定です。
『夏空に、きみと見た夢』飯田雪子
この作品では、高校生の悠里が、友人の葬式に呼ばれた見知らぬ男子高校生との出会いから物語が始まります。予期しない展開が待ち受けるストーリーは、涙を誘う感動的な作品としても知られています。こちらも同様に定価820円(税込)で272ページが2025年3月25日に発売予定です。
5月の本創刊イベント
そしてついに、2025年5月15日には本創刊が行われ、それに合わせて著者トークイベントも企画されています。『人生写真館の奇跡』が世界29カ国で刊行されることが決まった柊サナカ氏と、『復讐は合法的に』の実績を持つ三日市零氏が登壇します。イベントは、2025年5月18日にジュンク堂書店池袋本店で開催され、両作家のファンには見逃せない機会となるでしょう。
今後の展望
新レーベル〈ハーパーBOOKS+〉では、今後奇数月の15日に特選された作品を定期的にリリースしていく計画が進行中です。新たに登場する作品に期待が高まるなか、国内作家の多様な声を採り入れ、日本文学の新しい風潮を生み出していくことでしょう。今後も日本の魅力的な小説が世界へと広がる様子を、ぜひご覧いただきたいと思います。