ソフトバンクとエリクソンが挑むAIとRANの連携
ソフトバンク株式会社は、エリクソンと共同で進めている研究開発において、AI(人工知能)と無線アクセスネットワーク(RAN)の管理を統合的に実現する「AITRASオーケストレーター」と「Ericsson Intelligent Automation Platform(EIAP)」の連携に成功しました。この新しいシステムにより、AIとRANの間での動的な計算資源の配分が可能となり、さまざまなユースケースにおける実証に成功したのです。
新たな技術の背景と必要性
現在、通信ネットワークの需要は急増しており、その中でAIの活用が進んでいます。この背景には、AIによる計算資源のリアルタイムな管理と配分が求められる必要性があります。しかし、AIとRANという異なる性質を持つワークロードを効果的に運用するためには、それぞれの特性を理解し、柔軟に対応できるインフラが必要です。特に、AI-RAN基盤の整備と、そのオーケストレーションが重要な課題とされています。
取り組みの詳細
このような課題を解決するべく、ソフトバンクとエリクソンはAITRASオーケストレーターとEIAPの連携を実現しました。EIAPはRANの要件に基づいて計算資源の要求を行い、AITRASオーケストレーターがその全体の利用状況を把握して必要なリソースを配置します。
具体的には、AITRASオーケストレーターが特定のKubernetesクラスタを選定し、一時的に利用可能なアクセストークンを生成してEIAPに渡します。これによりEIAPは、RANに関連するアプリケーションの実行を可能にし、終了後には不要な計算資源をAITRASオーケストレーターに返却します。このようにして、AIとRAN両方の領域を通じて、計算資源の効率的な割り当てと使用を実現したのです。
AI-RANアライアンスとの関連
本取り組みは、「AI-RANアライアンス」が進める「AIとRANの協調運用や動的な計算資源配分」というユースケースを具体化したものでもあります。AIとRANの融合を推進する活動においても、重要なステップとなるでしょう。
今後の展望
この技術に基づくデモンストレーションが2026年のMWC Barcelonaで予定されており、両社は引き続きAI-RANのさらなる発展を目指して研究開発を進めていく意向を示しています。ソフトバンクの湧川氏は、「RAN専用の資源はもはや過去のもの。リソースは全体で共有することで、より柔軟なネットワーク運用が実現する」と語ります。
エリクソンのマンスール氏も、「AI-and-RANは分散型のネットワークオーケストレーションを可能にし、より高度な効率性をもたらす」と強調しており、今後の展望に希望を寄せています。
この連携によって、AIとRANがどのように共存し、通信ネットワークを進化させていくのか楽しみです。私たちもその動向に注目していきます。