オリィ研究所、分身ロボットを活用した新たな自由研究キットを実証
株式会社オリィ研究所は、分身ロボット「OriHime」を活用した新しい自由研究キットの実証実験を行いました。この実証実験は2025年8月28日から30日の間に、小学生2名によって家庭で実施され、保護者の意見や体験を踏まえた結果が報告されています。実験は、家庭学習の新たな可能性を探るものとして注目を集めています。
自由研究キットの内容と特徴
この自由研究キットは、分身ロボット「OriHime」と対話を通じて社会との接点を持つ「OriHimeパイロット」との交流を中心に設計されています。全3回のプログラムで構成されており、子どもたちはワークシートを用いて自身の興味・関心を掘り下げながら、オリジナルの自由研究を形作ることができます。このキットは自宅に配送され、リビングや子ども部屋に設置することで、家で手軽に利用できるよう工夫されています。さらに、ガイド付きのワークシートが添付されているため、初めて使う方でも安心してスタートできます。
実証実験の参加者の様子
実証実験に参加した小学1年生のAさんは、最初は保護者から「1時間同じところでパイロットと学習できるか」と心配されていました。しかし実際には、3日間という期間の中で集中して活動に取り組むことができたようです。毎日パイロットがログインするのを楽しみにしており、その積極的な姿勢が印象的でした。
一方、小学5年生のBさんはパイロットとの対話を通じて、「働けないこと」や「外出できないこと」といったテーマへの興味を深め、コミュニケーションの中で理解度を増していく様子が見られました。
参加者背景とプログラムへの期待
この実証には、多様な生き方や社会課題に関心を持つ家庭が参加しました。夏休みの自由研究を「知識を学ぶ」だけでなく、「人とつながり、社会を知る」機会としたいという思いが背景にあります。また、地域によっては対面型のワークショップが少ない中、オンラインで探求を深められる場として選ばれました。
保護者の期待と実感した効果
保護者の多くは、プログラミングやエンジニアリングへの興味を育むことや、働きたくても苦境にある人々との交流を通じて、新しい視点や気づきを得られることを期待していました。実際に参加した保護者は、OriHimeを通じて「AIではなく人が居る」と実感し、双方向のコミュニケーションが生まれる中で、子どもたちが相手に配慮しながら話す姿を見守ることができたと述べています。これは、コミュニケーション能力や非認知能力を育む良いトレーニングとなったと言います。
今後の展望とオリィ研究所
オリィ研究所では、今回の実証実験の結果を踏まえ、子どもたちの学びの機会をさらに拡大するために様々な展開を検討しています。具体的には、子ども向けのイベントやワークショップのコンテンツ提供や、自社主催による教育イベントの企画・開催を目指しています。
また、オリィ研究所は「人類の孤独を解消する」を理念に掲げ、障害や病気で外出が難しい方々へ豊かな選択肢をもたらすサービスを提供しています。その中でも、主力商品である分身ロボット「OriHime」は、テレワークを支援するだけでなく、実際の社会参加の実現にも寄与することを目指しています。
詳しくは、オリィ研究所の公式サイトをご覧ください。
オリィ研究所公式サイト