日機装、欧州のEPC企業と大型FSRUプロジェクト契約を締結

日機装、欧州EPC企業との大規模契約

日機装株式会社は、子会社であるClean Energy & Industrial Gasesグループ（CE&IGグループ）が欧州の著名なEPC企業と重要な契約を結んだことを発表しました。この契約は、3隻のLNG船をFSRU（浮体式貯蔵再ガス化設備）として改造するプロジェクトに関連し、合計で12台のクライオジェニックポンプを供給する内容となっています。

FSRUとは何か？

FSRUは、海上でLNG（液化天然ガス）を貯蔵・再ガス化するための装置で、再ガス化されたガスはパイプラインを通じて陸上に供給されます。これにより発電所や暖房、さらにはさまざまな産業用途に利用できるようになります。

このシステムは、陸上のターミナルを設置するよりも柔軟性があり、コスト効率が高く、建設期間も短いという利点があります。そのため、LNGの生産能力の急増が予想される今後数年間、FSRU市場は大きく成長すると考えられています。

CE&IGグループの役割と専門性

CE&IGグループでは、これまでの経験と専門知識を結集し、FSRU市場のニーズに応えるために新たな拠点をドイツ・ハンブルグに開設しました。今後は船舶市場向けのソリューションを重視し、持続可能なエネルギー供給に貢献することを目指しています。

CE&IGグループのバイスプレジデント、Ole Skatka-Jensen氏は、次のように述べています。「LNGをはじめとする低炭素エネルギーへの転換が進む中、陸上のガスインフラが限られている地域ではFSRUが信頼できるLNG-to-Powerクリンチャンを提供する重要な役割を担っています。」

今後の展望

日機装株式会社は、産業用特殊ポンプやシステム、医療機器などを手掛ける企業であり、創業から数十年が経過しています。今後もCE&IGグループは、ポンプ、気化器、ボイルオフガス管理システムなど、極低温技術における専門知識を活かして、EPC企業や船舶オーナーに向けたソリューションを提供していく予定です。この大型プロジェクトの成就には、これまでの経験が大いに生かされることでしょう。

日機装のCE&IGグループは、20カ国以上で展開し、従業員は1,800名以上を誇ります。今後も、低炭素エネルギーや産業ガスに繋がる革新的な製品の提供を通じて、持続可能な社会の実現に向けて尽力していく考えです。