小児がん治療へのファシリティドッグの可能性
2024年12月14日、京都で第66回日本小児血液・がん学会学術集会が開催されます。この学会では、特に注目を集めるのが「ファシリティドッグ」に関するランチョンセミナーです。演者には、神奈川県立こども医療センターの横須賀とも子医師と、ファシリティドッグ・ハンドラーの森田優子さん、そしてファシリティドッグ候補犬の「オリ」が登場します。
このセミナーの目的は、小児がん患者の治療過程において動物介在療法がどのように役立つかを紹介し、実際の医療現場での導入方法を示すことです。特にファシリティドッグは、患者の心理的なサポートを提供する役割を担っており、ストレスの軽減や不安の緩和が期待されています。
ファシリティドッグの役割と効果
ファシリティドッグプログラムは、動物のもたらす癒しの力を治療に活かす取り組みです。このプログラムでは、医療チームの一員としてトレーニングを受けた犬が、患者とのコミュニケーションを通じて治療の補助を行います。特に小児がんの子どもたちにとっては、愛らしい犬とのふれあいが心の支えとなり、彼らが医療環境において安心感を得られるよう協力します。
横須賀医師は、ファシリティドッグがどのように患者のQOLを向上させるのか、また、具体的にどのような場面で役立ち得るのかを詳しく解説します。犬と子どもたちとの関係は、治療だけでなく、入院生活そのものに良い影響を与えることが数々の研究から明らかになっています。
セミナーの詳細と参加方法
このセミナーは、国立京都国際会館 第7会場で開催され、参加希望者は当日に配布される整理券を取得する必要があります。多くの医療従事者が参加し、ファシリティドッグプログラムに対する関心を高めることを期待しています。
参加者にはハンドラーの森田さんが実際に行うデモンストレーションを見ることができ、犬がどのように患者に寄り添うことができるかを理解する良い機会となります。神奈川県立こども医療センターで長年活動をしてきた森田さんの経験談を通じて、ファシリティドッグプログラムの可能性を広げることを目指します。
登壇者のプロフィール
- - 横須賀とも子医師:神奈川県立こども医療センターの血液・腫瘍科医長として活躍。小児がん治療の専門家であり、緩和ケアサポートチームのリーダーでもあります。
- - 森田優子さん:ファシリティドッグ・ハンドラーとして、静岡県立こども病院と神奈川県立こども医療センターでの長い経験があります。彼女の活動は、子どもたちにとって大きな癒しとなっています。
- - オリ:ファシリティドッグ候補犬で、現在最終段階のトレーニング中。彼女の愛らしい姿は、参加者にとって心温まる存在となることでしょう。
このセミナーを通じて、ファシリティドッグプログラムの重要性が広がることに期待し、医療現場での新たな取り組みとして根付いていくことが望まれます。多くの医療従事者がこの機会を通じて学び、実践に活かすことができることを心から願っています。