コドモンとベネッセ、新たな保育AI「こどもストーリープロジェクト」を始動
2024年8月、株式会社コドモンと株式会社ベネッセスタイルケアグループは、共同プロジェクト「こどもストーリープロジェクト」を開始しました。これは、保育現場での日常や成長を記録するAI機能の開発を目指し、実証実験を経て形になるものです。これにより、保育者の仕事の負担を軽減しながら、より丁寧に子どもたちの成長に向き合うことができるようになります。
プロジェクトの背景と課題
保育の現場では、日々の記録や指導案の作成が必要です。さらに、それをもとに児童票や年度の要録を作るため、過去の記録を振り返る作業には多大な労力が求められます。その業務は、児童一人あたり1時間以上にも及ぶことが多く、忙しい保育者にとって大きな課題です。
取り組み内容と目的
「こどもストーリープロジェクト」では、保育ドキュメンテーションに蓄積されたデータをAIが解析し、児童票や要録を自動的に作成する機能を開発中です。これにより保育者は書類作成に費やす時間を短縮し、子どもたち一人ひとりに寄り添う時間を増やせるようになります。コドモンとベネッセは、「保育の質を高めるためのAI活用」を目指しており、業務の一部を自動化するだけでなく、質を向上させることが狙いです。
実証実験から得られた声
実証実験を行った保育施設からは、AIに対する期待が寄せられています。「AIは冷たいと思っていたが、自分の言葉が“生きた記録”になっていたことに驚いた」という感想や、「月1回の児童票の作成が大幅に楽になりそう」との声も。日々の活動では見えにくかった楽しみや学びを際立たせたことで、保育の質向上にもつながるとされています。
高評価の保育AIセミナー
2025年2月に実施した「保育AIセミナー」には1282名が参加し、参加者満足度は98.4%にも達しました。「保育士によって文章力に差があり、AIでサポートできるのはありがたい」との意見も多く、未来の保育への期待が高まっています。
賛同施設の募集と参加のメリット
「こどもストーリープロジェクト」への参加施設には、AIサービスの試用版への先行申込や最新情報の提供が行われます。参画した施設の先生方の声を反映し、より良いサービスを目指します。プロジェクトエントリーは2025年12月頃まで受け付けており、興味のある保育施設はぜひお申し込みを。
コドモンの「保育ドキュメンテーション」について
「保育ドキュメンテーション」は、コドモンとベネッセスタイルケアグループが共同開発した機能で、教育現場でのドキュメンテーションを日常に取り入れることを目的としています。保育記録を写真とコメントで残すだけでなく、保育の振り返りや計画をも一貫して行える。このシステムは、園児の育ちを保育者間や保護者とシェアする仕組みを持っており、多くの園で活用されています。
会社情報
所在地: 東京都品川区西五反田八丁目4番13号五反田JPビルディング10階
資本金: 6,825万円
代表者: 代表取締役 小池義則
設立: 2018年11月
事業内容: 保育・教育向けICTサービス「コドモン」の運営など
本プロジェクトは、未来の保育の在り方を変える大きな一歩となることでしょう。