福島県昭和村がドローンを使った熊対策を始動、地域の安全性向上に貢献

福島県昭和村の新たな熊対策

福島県昭和村では、NTTドコモビジネスと連携し、新たな熊対策の取り組みを開始しました。これには、セルラードローン「Skydio X10」が活用され、地域の安全を確保する新しい地域モデルとして注目されています。

1. 背景と目的

近年、昭和村内では熊や猪などの有害鳥獣の出没が増え、その対応が喫緊の課題となっています。これを受けて、昭和村は有害鳥獣対応のためのダッシュボードを作成し、情報の共有と連携を強化してきました。2025年7月には、山岳遭難対応や設備点検のためにSkydio X10を導入し、段階的に運用を開始しました。それに続く形で、2025年10月には熊対策を本格的にスタートしました。

2. ドローンの活用方法

この新たな熊対策は、以下のフローに基づいて進められています。

1. 昼夜を問わず、村内での熊目撃情報に対してドローンを用いた探索を実施。
2. もし熊の存在が確認された場合、スピーカーを使用して熊を追い払うか、位置情報に基づいて罠を設置します。
3. 出没場所は「有害鳥獣ダッシュボード」に記録し、地域内での情報共有を強化します。

2.1. セルラードローン「Skydio X10」の特徴

特筆すべきは、Skydio X10の技術力です。このドローンには以下の特徴があります：

- 夜間探索能力: Nightsense機能により、暗闇の中でも自律的に飛行可能。
- 探索効率の向上: 可視光カメラとサーマルカメラを併用し、熊の発見頻度が上がっています。
- 位置特定の効率化: カメラから得られる緯度経度情報を利用し、迅速な罠設置が実現。
- 追い払いシステム: 発見した熊に対して、スピーカーでの追い払いが可能で、その後の追尾にも対応しています。

これらの特徴を活かし、短時間の飛行で熊や猪を発見する実績も上げています。例えば、あるケースでは、14分のフライトで熊1頭、猪3頭を見つけることに成功しました。

3. 今後の展開

今後は、昭和村での取り組みをモデルに、他の自治体にもこの事例を展開していく予定です。特に災害対応能力の向上につながることが期待されています。NTTドコモビジネスは、地域のDX推進を支援し、持続可能な地域づくりに貢献していく方針です。このような先進的な取り組みは、地域の安全性や住民の安心感の向上に寄与することでしょう。