貸し切りバスが放射冷却素材「Radi-Cool」を導入、快適空間と省エネを実現

放射冷却素材「Radi-Cool」を使用した貸し切りバスの取り組み

昨今、地球温暖化が加速する中で、私たちの生活環境は大きく影響を受けています。特に、夏季の暑さ対策は喫緊の課題となっており、快適な室内環境を維持するためには冷房設備に頼らざるを得ない状況です。その結果、大量のエネルギーを消費してしまうというジレンマが存在します。そこで注目されているのが、放射冷却素材「Radi-Cool」です。

放射冷却素材「Radi-Cool」とは？

「Radi-Cool」は、2017年にアメリカのコロラド大学ボルダー校の研究チームによって発表された先進的な技術です。この素材は、高い反射率を誇る特別な塗料で、日射を効率的に反射し、同時に吸収した熱を放射冷却することが可能です。この二つのメカニズムを組み合わせることで、事実上ゼロエネルギーで物体の温度を下げることができます。

新たな試みとしてのバス車両の施工

この度、ラディクールジャパン株式会社は、出光エナジーソリューションズ社および西日本ジェイアールバスサービス社と共同で、西日本ジェイアールバスサービスが保有する貸し切りバス7台に「Radi-Cool」を施工しました。施工は、城東安全硝子有限会社が担当。これにより、快適な車内環境を提供しつつ、空調の消費エネルギーを削減することが目指されています。

施工された車両はこの夏シーズンに実証試験が行われる予定で、結果がどのように現れるのかが注目されています。特に、乗客の快適性が如何に向上するかは、今後の普及に向けた大きな要素となるでしょう。

環境問題に対する取り組みの一環

環境問題への意識が高まる現代において、持続可能な社会の実現は重要課題です。出光エナジーソリューションズは、ラディクールジャパンの販売代理店として、「Radi-Cool」を活用してエネルギー効率の向上を図ると共に、快適な空間の提供に寄与しています。これにより、ただの快適性だけでなく、エネルギーコストの削減や環境保護にも貢献する狙いがあります。