日本における貯蓄意識と健康に関する調査結果
株式会社クロス・マーケティングは、全国の18歳から79歳までの男女を対象に実施した「健康に関する実態・意識調査」の結果を発表しました。調査は2024年11月6日から7日の間に行われ、3,000サンプルが集められました。調査の目的は、国民のライフスタイルや価値観の変化を把握することとしています。
生活への満足度と価値観
調査によると、食生活や住環境、衣服、家族とのふれあいには高なる満足感が示されている一方、貯蓄や将来の備えに関する満足度は低いという結果が出ています。「全く満足していない」と回答した人の割合は27%に達しました。この数字は高齢世代にとって特に顕著で、経済的不安が強く影響していると考えられます。
また、調査対象者の多くが、物価の上昇や貧富の差が拡大していることに懸念を持っており、消費税の引き上げには否定的な意見が多いことも特徴的です。
現在の暮らし向き
生活の満足度を9段階で評価した結果、47%が「中の下」もしくは「下」と回答しました。この結果は特に30代と40代において顕著であり、生活の質が低下していることを示唆しています。また、生活値に対する満足度が公表されている中、このような調査結果が出る背景には、物価の上昇が賃金に追いついていないことが挙げられるでしょう。
健康状態と身体の衰え
調査対象者は自分の健康状態に対し、「非常に健康」と思っているのは7%のみで、54%は「まあ健康」と評価しています。特に、18歳から29歳の年代においては「非常に健康でない」という実感が17%にのぼり、若年層でも健康への不安が広がっていることがわかります。
身体的な衰えについては、30代から視力や記憶力の低下を実感し始め、40代からは握力や歩行能力の衰えを感じる人が半数を超えました。50代になると、さらに多くの人が視覚的な不便を経験することとなります。
年齢イメージと社会の見え方
この調査では、一般的な年齢イメージも明らかになりました。「シニア」とされる年齢は62.7歳、おじさんやおばさんはそれぞれ49.8歳と49.6歳とされています。この調査結果は、年を重ねるごとに社会からの見られ方が変化することを示しており、60歳以上の人にとっては若い世代を見つめる感覚が強いものと思われます。
結論
この調査は、日本の多くの人々が貯蓄や将来の生活に不安を抱いていること、また健康状態に対する意識に対しても大きな変化が見られることを示しています。今後、これらの問題に対処していくためには個人だけでなく社会全体がどう意識を高め、改善に向けた取り組みを行うかが重要です。経済状況や健康状態は密接に関連しており、一方的なアプローチでは解決できない複雑な問題を抱えていることがこの調査から浮き彫りになりました。