アイトラッキング式認知機能評価ロジック「ミレボ®」の効果が確認された治験結果
株式会社アイ・ブレインサイエンスは、大塚製薬と共同開発したアイトラッキング式認知機能評価法(ETCA)を用いた医療機器プログラム「ミレボ®」の治験結果が、国際的な学術誌「GeroScience」に掲載されたことを発表しました。本治験は、認知症患者や軽度認知障害(MCI)が疑われる方、認知機能が正常なボランティアを対象に実施され、ミレボ®の検査スコアと一般的な認知機能検査であるミニメンタルステート検査(MMSE)との相関性を検証しました。
研究の要点
本治験の結果は、以下のように要約されます。
- - ミレボ®の検査スコアは、MMSEのスコアと高い相関性を示しました(相関係数0.831)。このことは、ミレボ®が認知機能検査の有用な手段であることを示しています。
- - 検査時間は視線合わせを含めてわずか4~5分(中央値:4分14秒)で、MMSEが約10分かかるのと比べ、かなり短時間で客観的な結果が得られることが確認されました。
医療界への貢献
「ミレボ®」は2025年の1月1日から、認知症診断支援プログラムとして医療保険適用が開始されます。今回の治験結果は、「ミレボ®」の学術的な信頼性を裏付け、医療現場での認知症早期発見と診断支援に寄与することが期待されています。
また、医療以外の分野においても、アイ・ブレインサイエンスは「MIRUDAKEⓇ」という一般向けアプリを提供しています。これはETCA技術を活用したもので、医療機関だけでなく、自治体や地域社会での認知機能に関する理解を深めるためのツールとして機能しています。
社会的使命へのコミットメント
アイ・ブレインサイエンスは、医療現場と日常生活の両方から認知症と向き合う活動を進めており、すべての人々が安心して暮らせる社会の実現に貢献することを目指しています。今後も、より多くの人々に認知機能に関する正確な情報を届けると共に、製品の普及に努めていく所存です。
論文詳細
- - 論文名: Eye-tracking-based tablet application for enhanced cognitive assessment: A clinical trial for software as a medical device (SaMD)
- - 著者:Yoichi Takamiら
- - 掲載誌:GeroScience
- - URL:GeroScience
アイトラッキング技術とは
アイトラッキング技術は、大阪大学発の視線追跡技術を基にしており、視線動向を用いて認知機能を非侵襲的かつ客観的に評価する手法です。この技術により、認知機能の変化にいち早く気付くことが可能になり、早期の医療介入につながります。
今後の展望
この「ミレボ®」や「MIRUDAKEⓇ」を通じて、認知症対策が自治体や様々な団体と連携して、地域社会に根付くことを期待しています。これにより、認知機能に関する理解が深まり、より多くの方々が認知症についての不安を軽減し、安心して生活できる未来を目指します。