2025年11月20日、東京のTODAホール&カンファレンスにて、「KnowBe4 Japan Forum 2025」が開催されました。今回のフォーラムは、「AI時代のセキュリティ文化」をテーマに、多くの専門家や企業の担当者が集結しました。このイベントの中心となったのは、KnowBe4の社長兼CEOであるブライアン・パルマ氏です。彼は今回の来日が初めてであり、AIの急速な進化がもたらす新たなリスクに対する戦略について詳細に語りました。
パルマ氏は、企業におけるセキュリティを「成長の土台」として位置づけ、AIの役割について強調しました。「AIは我々の時代を決定づけるテクノロジーである」と彼は言い、AIを賢く使うことでリスクを管理できることが重要だと訴えました。また、彼の言葉を借りれば、AIを効果的に活用すれば企業の中での立ち位置をも変えるかもしれないという挑戦状を参加者に投げかけました。
続いて、KnowBe4のCISOアドバイザーであるロジャー・グライムス氏が特別講演を行い、「AIがAIと戦う時代」というテーマで攻撃の現状や防御策について説明しました。グライムス氏は、現代のサイバー攻撃の70~90%がソーシャルエンジニアリングによるものであるとし、特にフィッシング攻撃の進化を取り上げました。彼は「2026年末までにはAIが攻撃の主流になる」と警鐘を鳴らし、企業がAIを活用した防御を強化する必要性を説きました。
実際、世界中のデータに基づく彼の予測によると、防御側がAIを用いた場合、その効果は手動よりも2~3倍向上するとのことです。防御側のAIにもセキュリティ対策が必要であり、従業員には想定外の要求に直面した際には立ち止まって検証する重要性を訴えました。
さらに、事例セッションでは、日本航空株式会社とTOPPANホールディングス株式会社からの講演が行われ、情報セキュリティに対する意識の醸成とその定着について具体的な取り組みが紹介されました。日本航空の嶋戸氏は、情報セキュリティの文化醸成に向けた取り組みについて詳述し、TOPPANの庄司氏は社内セキュリティ体制の構築や人材育成の重要性に触れました。
最後には、脳科学者の中野信子氏が「ビジネスに活かす脳科学」というテーマで講演し、非合理的な人間行動を理解することがセキュリティ対策において如何に重要であるかについて解説しました。
KnowBe4は、従業員がより賢明な判断を下せるよう支援するプラットフォームを提供しており、世界で70,000以上の顧客に支持されています。今後、AIがビジネスにおいてますます重要な役割を果たす中、KnowBe4の取り組みは企業のセキュリティ文化の強化に貢献することが期待されます。