日本の港湾サイバーセキュリティ強化に向けた国際演習を実施
令和6年8月21日から22日にかけて、国土交通省港湾局は米国国土安全保障省と共に、日本の主要港湾に対するサイバー攻撃を想定した机上演習を行いました。本演習は、令和5年に名古屋港で発生したサイバー攻撃を受けた背景を踏まえ、港湾のサイバーセキュリティ対策の強化に向けた取り組みの一環として実施されました。
演習の目的と内容
演習の主な目的は、サイバー攻撃が日本の港湾に与える影響と、その対応策についての理解を深めることです。港湾は物流の重要なハブであり、攻撃によってその機能が麻痺すれば、経済や社会に多大な影響を与えることが考えられます。そのため、海外ではすでに多くの関係機関がサイバー対策を強化しています。
演習期間中、参加者はシナリオに基づき、サイバー攻撃が発生した際の効果的な対応策について議論しました。日本側からは国土交通省、海上保安庁、警察庁などの政府関係機関が参加し、港湾管理者や運送事業者とともに、システム関連企業の専門家も含まれていました。米国の出席者は国土安全保障省や沿岸警備隊、サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁の関係者、さらには在日米国大使館の代表者が参加し、意見交換が行われました。
演習の意義と今後の展望
この演習を通じて、日本の港湾におけるサイバーセキュリティの重要性が再認識されると共に、日米間での情報共有や協力の強化が期待されます。参加者からは、実際の事件を想定した模擬演習は非常に有意義であり、今後の実際のサイバー攻撃に備えるための基盤を築くうえで重要であるとの声が上がりました。
国土交通省は、得られた知見を活かして、引き続き港湾のサイバーセキュリティ対策を強化していく方針です。今後も定期的な演習や対策の見直しを行い、万全な体制を整えることが求められています。
日時と場所
- - 日時: 令和6年8月21日(水)~8月22日(木)
- - 場所: 三田共用会議所 1階講堂(東京都港区三田2丁目1番8号)
参加者構成
参加者は、政府関係機関および港湾関連の業者、警察など幅広い分野から参加しており、協力的な意見交換が行われました。これにより、実際のサイバー攻撃に対する国際的な対応策について重要な情報が交換されました。
今後もこうした取り組みを通じて、日本の港湾におけるサイバーセキュリティ対策の充実が図られることが期待されます。