Kaspersky Security Bulletin 2024:ダークウェブ市場の現状と2025年の展望
Kasperskyが発表した「Kaspersky Security Bulletin」に基づき、2024年のダークウェブにおけるサイバー脅威の動向が明らかになりました。同レポートによると、特に暗号資産ドレイナーというマルウェアに関する議論が顕著に増加しており、2022年に比べて135%も増加しています。このような変化は、近年のサイバー犯罪の傾向を示す重要な一端となっています。
暗号資産ドレイナーの台頭
暗号資産ドレイナーは、ユーザーを騙してウォレットから資産を盗み取る手法を用いるマルウェアで、約3年前に登場しました。最近、ダークウェブ上では、偽のエアドロップやフィッシングサイトなど、様々な攻撃手法を駆使している事例が報告されています。その結果、ライン上での議論が増え、2024年には129件のスレッドが確認されました。これにより、犯罪者の関心がますます高まっている印象があります。
Kasperskyのセキュリティエキスパート、アレクサンダー・ザブロフスキー氏は「2025年には特に暗号資産ドレイナーに対する注目が一層高まるだろう」と警告しています。ウォレットや取引所のブランドを利用することで、利用者を誘導し情報を窃取しようとする手法が見られます。
データ侵害の増加
2024年8月から11月にかけて、ダークウェブのフォーラムにおいて企業データベースの売買情報が前年同期比で40%も増加しました。この現象は、過去のデータ漏洩が再投稿されているケースも含まれると考えられますが、依然としてサイバー犯罪者たちのデータへの興味を示しています。ザブロフスキー氏は「公開されるデータ侵害の売買情報が実際の事件に起因しているとは限らない」と述べており、サイバー犯罪者が巧妙に企業名を利用してブランドの評判を損なわせようとする例もあります。
2025年の展望
さらに、2025年に予測される脅威には、サイバー犯罪がTelegramからダークウェブフォーラムへと戻る動きが含まれています。また、法執行機関によるサイバー犯罪グループへの取り締まりも強化される見込みです。ランサムウェアグループはより小規模で独立した単位に分かれる可能性があり、監視が難しくなると考えられています。
MaaS(Malware-as-a-Service)モデルを通じた窃取ツールやドレイナーの拡散も懸念され、ダークウェブ市場での活動がますますエスカレートするでしょう。
総括
2025年に向けてダークウェブ市場における犯罪者の活動が活発化していく中、企業はオンライン上での自身のプレゼンスを監視し、サイバーセキュリティ教育を強化する必要があります。加えて、定期的にブランドがどのように言及されているかを確認し、必要な対策を迅速に講じることが重要です。
最新の「Kaspersky Security Bulletin」シリーズでは、こうしたサイバー脅威の動向が定期的に分析されています。興味のある方は、ぜひ詳細を確認してみてください。