公立小中学校での実証プロジェクトが始動
『VISITS forms』の役割
近年、急速に進化するAIに対応した教育が求められています。そこで、VISITS Technologies株式会社と富士通Japan株式会社が共同で進めているプロジェクトが注目を集めています。このプロジェクトでは、オンラインツール『VISITS forms』を活用し、公立小中学校での学びの質を向上させることを目指しています。『VISITS forms』は、答えのない問いに対する意見やアイデアを数値化し、データとして分析することが可能です。このツールは、特に新学習指導要領に適合したアクティブ・ラーニングの一環として位置付けられています。
変化に対応する力の重要性
現代社会は、変化が激しく、予測困難な状況が日常です。そのため、課題を見つけ出す力や、主体的に学び、他者と協力して新しいアイデアを創出する力がますます重要になっています。教育の場でも、このような能力の育成が進められています。例えば、2020年以降施行されている新学習指導要領では、アクティブ・ラーニングを通じて「主体的・対話的で深い学び」が求められています。
プロジェクトの実施内容
このプロジェクトは、2023年5月から千葉県南房総市立富山中学校にて始まりました。その後、教育イベント『IMETSフォーラム』に参加し、大田区・港区の教師に『VISITS forms』の利点を伝える活動も行われました。また、2023年11月からは大田区立の矢口小学校および大森第五小学校で、『おおたの未来づくり』という新しい教科に利用される予定です。これにより、さらに多様な学校での導入が期待されています。
データドリブンな意思決定
『VISITS forms』では、参加者の意見を収集し、AI技術を駆使して意見を評価します。このプロセスにより、得られた意見がスコアリングされ、重要度に基づいた議論や決定が可能になります。企業や官公庁でも広く導入されており、ビジョンの浸透や新規事業の創出などに役立っています。特に教育現場では、児童や生徒同士の相互学習を促進するためのプラットフォームとしての活用が期待されています。
矢口小学校での成果
矢口小学校では、小学5年生を対象とした授業で『VISITS forms』を利用しました。実施後のアンケート結果では、90%以上の児童が「主体的に取り組む気持ちが高まった」と回答しています。匿名での相互レビューが行えるため、意見出しが苦手な児童も活発にアイデアを出すことができ、クラスメイトの多様な意見に触れることで自身の考えを深めることに成功したようです。
VISITS Technologiesについて
VISITS Technologiesは、『創造力』に特化したAI技術を開発し、組織や教育機関の変革に寄与しています。また、経済産業省による次世代ユニコーン企業創出プログラム『J-Startup』に選出されるなど、その実績は高く評価されています。
以上のようなプロジェクトを通じて、AI時代に求められる力を育む教育が進められています。今後の展開に期待が高まります。