環境保全の新たな取り組み
日本NPOセンターが損害保険ジャパンの協賛の下で実施している市民参加型環境保全イベント「SAVE JAPANプロジェクト」が、新たな成果を上げました。2024年度の前期に、岡山県と大分県において、それぞれ「自然共生サイト」として認定された2つの地域が発表されました。この取り組みは、地域の住民が主体となって行われる環境保全活動の一環で、生物多様性を守るための重要なステップとなっています。
プロジェクトの概要
「SAVE JAPANプロジェクト」は、2011年以来、全国各地で市民参加型の環境保全イベントとして活動しています。このプロジェクトは、各地のNPO支援センターや環境団体と連携し、地域の環境状況に合ったプログラムを提供することで、住民が積極的に環境保全に関わる機会を創出しています。
環境省は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復を図るため、「自然共生サイト」の認定制度を2023年度から開始。その一環として、このプロジェクトでは認定プロセスの支援を行っています。これにより、独自の特色を持つ地域が地域資源を生かし、生物多様性を保持するための活動に参加できるようになります。
認定地域の紹介
以下、今回認定された2つの地域について詳しく見ていきましょう。
1. 蒜山高原鳩ヶ原草原及び周辺湿原(岡山県)
- - 環境団体: 蒜山自然再生協議会
- - NPO支援センター: 特定非営利活動法人岡山NPOセンター
蒜山地域は、長い間人々の手によって守られてきた貴重な草原を持っています。草原の中には、全国で唯一のフサヒゲルリカミキリや美しいサクラソウが自生しており、多様な動植物が生息しています。しかし、全国的に草原が減少している中、ここでの活動は特に重要です。草刈りや山焼きといった保全活動を通じて、地域住民は自然と触れ合い、環境教育の一環として学びながら活動しています。
2. 尾無の湿地(大分県)
- - 環境団体: 特定非営利活動法人水辺に遊ぶ会
- - NPO支援センター: 特定非営利活動法人おおいたNPOデザインセンター
尾無の湿地は、絶滅危惧種であるベッコウトンボが生息する重要な場所です。しかし、周辺の水路整備により、その生息環境が危険にさらされています。当地では、トンボや両生類が安心して生きられるように保全活動を進めており、観察会を通じて地域住民にその意義を伝える取り組みも行っています。
今後の展望
「SAVE JAPANプロジェクト」では、2024年度も引き続き16のプロジェクトに対する支援を実施予定です。日本NPOセンターは、損保ジャパンや各地域のNPO支援センター、環境団体と連携し、市民が主体となって生物多様性を保全する取り組みを進めていきます。地域社会との連携を図ることで、より広範囲な環境保全活動の定着を目指しています。
このプロジェクトは、市民が手を携えて自然を守る姿勢を育み、持続可能な社会を構築するための重要な一歩となることでしょう。
【お問い合わせ先】
認定特定非営利活動法人日本NPOセンター
〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル245
SAVE JAPANプロジェクトウェブサイト:
SAVE JAPAN
E-mail:
[email protected]