吹田市が推進する持続可能な航空燃料の普及活動
大阪府吹田市が持続可能な航空燃料(SAF)の普及に向けた連携協定を締結しました。この協定は、日揮ホールディングスやコスモ石油、レボインターナショナル、さらには合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYと共同で実施するもので、廃食用油を航空機の燃料として再活用することを目指しています。
1. 協定締結の経緯
吹田市は、2025年3月12日に大阪府内にあるコスモ石油の堺製油所にて、各行程代表と共に協定締結の式典を行いました。この際、市が提供する廃食用油は年間約27,000リットルに上ることが見込まれており、全国の自治体で最大の量となる予定です。加えて、吹田市は「Fry to Fly Project」にも参加し、家庭や店舗から廃食用油を回収し、航空機燃料として利用する取り組みを始めます。
2. 結束したチームによる新たな挑戦
協定では、吹田市と各所が緊密に連携し、持続可能な循環型社会の構築や脱炭素化を達成するための具体的な計画が盛り込まれています。具体的には、廃食用油の回収を進めるための施策、SAFの製造における必要な活動、住民への情報発信、さらには新たな回収拠点を設置するための活動が含まれています。
3. 地域内の支援と住民の参加
吹田市内の公共施設や市立学校からの廃食用油が集められ、レボインターナショナルはその収集を担当します。SAFFAIRE SKY ENERGYが位置するコスモ石油堺製油所では、2024年12月までにSAFの生産施設が完成予定です。これにより、国内初となる大規模なSAF製造が実現します。
4. 廃食用油の重要性とその利用方法
廃食用油は、もともとは廃棄物と見なされていましたが、近年ではその価値が大きく認識されています。特に航空業界では、原料としての廃食用油を用いたSAFが、約84%のCO2排出削減が期待されるという便益があります。これは、私たちの脱炭素社会に向けた重要な一歩であると言えます。
5. 今後の展望
吹田市は、持続可能な航空燃料の普及に向けた積極的な取り組みを進めており、市民がこのプロジェクトに参加することで、一人ひとりが環境保護に貢献できることを意識化しています。廃食用油を持参した市民への特典制度も計画されており市民が率先して取り組む環境づくりを促進しています。
持続可能な航空燃料の製造と利用を通じて、吹田市は全国での模範となることを目指しています。この新たな挑戦は、地域全体の発展にも寄与し、未来の世代に誇れる持続可能な地域社会を築くための重要なステップといえるでしょう。