中小企業のキャッシュレス事情
2019-08-30 18:00:00

キャッシュレス決済の実態調査から見える中小企業の現状と課題

中小企業におけるキャッシュレス決済の導入実態



エキテン総研が実施した「中小事業者におけるキャッシュレス決済導入の実態調査」によると、日本全国の中小企業の約半数がキャッシュレス決済を導入していることがわかりました。この調査は、650の店舗経営者や集客・販促担当者を対象に、2019年6月から7月にかけて行われました。

調査結果の概要



調査結果によると、「キャッシュレス決済を導入している」という回答は49.5%に対し、「導入していない」は50.5%とのことで、ほぼ同数となっています。特に、キャッシュレス決済を実施している店舗では「売上が増加した」というポジティブな意見が多く見られる一方で、「運用コストが増加した」という懸念も浮上しています。

一方、キャッシュレス決済未導入の店舗では、なんと50.7%が今後の導入に前向きな意向を示しています。
しかし、現実には「加盟店手数料」や「導入コスト」「運用コスト」など、多くの障壁が存在しているため、実際の導入には至っていないケースが多いようです。

導入している店舗の状況



キャッシュレス決済を導入している店舗が多く使用しているのはクレジットカード決済で、QRコード決済ではPayPayの人気が高く、多くの店舗で採用されています。キャッシュレス決済導入の理由としては、キャッシュレス決済事業者が行うキャンペーンによる集客効果があったという意見が多数を占めました。

良かった点としては、売上向上や顧客対応の効率化、現金管理の簡便さなどが挙げられています。しかし同時に、運用コストが増加したことや、顧客対応の時間が長くなるなど、デメリットも指摘されています。特に、顧客対応時間については店舗により異なる意見があり、賛否両論です。

導入していない店舗の状況



調査対象の中でキャッシュレス決済を導入していない店舗に尋ねたところ、導入に対して前向きな意見が多く見られましたが、実際に行動に移されている店舗は少数派でした。その理由として、消費増税に伴う顧客利便性の向上を求める声がある一方で、やはり手数料や導入コストが課題となっています。

導入の意向を示した店舗に対して、手数料や導入資金が解消された場合には61.4%が導入を希望すると回答しており、これも示唆に富んだ結果です。しかし36.1%は「わからない」との答えをしており、慎重な姿勢が見られます。

フリーコメントから見る現場の声



キャッシュレス決済を導入した店舗からは、様々な意見が寄せられました。たとえば、現金を持ち合わせていない顧客への対応ができるようになったことで、売上が向上したというポジティブな意見がある一方で、集客につながらなかったり、業務が増えたと感じる店舗の声もありました。このように、キャッシュレス決済については賛否が分かれる結果となっています。

まとめ



キャッシュレス決済は、売上拡大が期待できる施策の一つですが、運用コストや手数料が利益を圧迫するリスクもあるため、慎重に検討する必要があります。今後さらに普及していくためには、中小企業が直面する課題を解決する取り組みが求められるでしょう。キャッシュレス決済が店舗経営にどのような影響を与えるのか、今後の動向に注目していきたいと思います。

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