小児がん経験者を支える奨学金
はばたけ!ゴールドリボン奨学金とは
小児がん経験者の大学進学を支援する目的で設立された『ゴールドリボン奨学金』。この奨学金制度は、経済的理由から学業が困難な学生に対して、毎月4万円を無返還で支給し、卒業までの支援を行います。運営するのは、認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワークで、対象となるのは小児がんを経験した高校3年生やその既卒者です。
募集内容
2023年春には新たに奨学生を募集します。募集期間は2022年6月1日から10月14日まで、選考を通じておおよそ10名程度が選ばれる予定です。この期間にぜひ申し込みを検討してみてください。
小児がん経験者の背景
毎年、日本では約2,000人から2,500人の子どもが小児がんと診断されています。医療技術の進歩により、生存率は向上していますが、治療を終えた後も多くの子どもたちが晩期合併症に悩まされることがあります。これは、化学療法や放射線治療の影響であることが多く、進学や就職を妨げる要因となっています。
奨学生の中には、小児がんを克服したものの、治療の後遺症から通院が必要な学生もいます。さらに、治療に要する時間から家庭の経済状況が厳しくなり、親が仕事を辞めざるを得ないケースも多く見られます。実際に、奨学金を受け取る世帯の78%がひとり親世帯で、平均年収は234万円という状況です。また、コロナウイルスの影響も経済的打撃を与える一因となっています。
奨学金制度の必要性
このような背景を受けて、ゴールドリボン奨学金は、進学を目指す小児がん経験者の支援策として誕生しました。奨学金は予約採用型で、入試前にも採用が決定し、合格後に奨学金が確定します。この制度により、経済的な理由で学生生活をあきらめることなく、学業に打ち込むことができます。
卒業生の声
奨学金を受けた学生の中には、理学療法士を目指している方もいます。Oさんは、17歳で胚細胞腫と診断され、入院や手術を経験しました。晩期合併症に悩まされながらも、奨学金を利用して専門学校に通っている彼女は、「この奨学金がなければ、学業とアルバイトの両立ができなかった」とその重要性を強調します。病気を乗り越える中で得た夢を実現させ、人々に元気を与えたいと語っています。
お問い合わせ
この奨学金に関する詳しい情報は、認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワークにアクセスしてください。設立は2008年で、東京都豊島区に所在します。お問い合わせは、電話またはメールにて受け付けています。
電話:03-5944-9922
メール:
[email protected]
ウェブサイト:
ゴールドリボン・ネットワーク
奨学金制度は、徐々にその利用者を増やし続けています。特に2020年以降、新型コロナウイルスの影響で、学生からの応募が急増しました。これからも、社会的課題に取り組みながら、全ての小児がん経験者が夢に向かって進めるよう、さらなる支援を行っていくことを約束します。