英国の児童福祉ノウハウが日本の児童相談所を救う?
近年、増加の一途を辿る児童相談所の業務量。特に虐待相談件数は過去最多を更新し続け、現場では職員の負担増と人材不足が深刻な問題となっています。この課題解決に向け、NPO法人チャイボラは画期的な取り組みを始めました。
チャイボラが開催するのは、全国の児童相談所職員を対象とした「ピアサポート交流会」。こども家庭庁の助成を受け、児童相談所職員の採用・人材育成・定着支援事業の一環として実施されます。
イギリスの児童福祉の第一人者から学ぶ
今回の交流会では、イギリスの児童福祉サービスで高い評価を得ているベクスレー区から、児童サービス部長のスティーブ・キッチマン氏と主任ソーシャルワーカーのステファニー・ロバーツ氏を招へい。イギリスの児童相談所の現状、職員の人材育成、組織マネジメントについて講演が行われます。
講演内容は、日本の児童相談所職員にとって非常に参考になるものばかり。イギリスと日本の異なる視点から、児童の権利擁護に向けた取り組みを学ぶ貴重な機会となるでしょう。
悩みを共有し、共に成長する場
講演後には、参加者同士が自由に悩みや経験を共有する時間もあります。国内外のソーシャルワーカー同士が繋がり、多様な視点から業務改善や自己成長を促すことを目指しています。同じ課題に直面する者同士が語り合うことで、新たな気づきや解決策が見つかるかもしれません。
チャイボラの取り組み
チャイボラは、児童養護施設を含む社会的養護施設の職員確保と定着を支援する国内唯一の団体です。こども家庭庁の事業にも採択されており、全国の1/3以上の施設をサポートしています。
本事業以外にも、就職希望者向けの見学会や広報啓発事業、人的課題の調査・分析事業など、多様な活動を展開。社会的養護総合情報サイト「チャボナビ」の運営なども行っています。
交流会の詳細
開催日時は以下の通りです。
第一回東京:11月25日(月)13:00-16:30(担当者向け)
第二回東京:11月26日(火)13:00-16:30(管理者向け)
第三回兵庫:11月28日(木)13:00-16:30(管理者向け)
第四回大阪:11月29日(金)13:00-16:30(担当者向け)
各回とも17:00-19:00に懇親会が予定されています。
開催場所:
第一・二回:株式会社サイボウズ会議室(東京都中央区日本橋2丁目7-1)
第三回:西日本こども研修センターあかし(兵庫県明石市大久保町ゆりのき通1丁目4-7)
第四回:難波御堂筋ホール(大阪府大阪市中央区難波4丁目2-1)
対象者:
担当者向け:1~5年目までの児童福祉司(新卒・中途)
管理者向け:スーパーバイザー以上の管理職
内容:
参加者によるアイスブレイク、グループワーク
* ベクスレースタッフからのプレゼンテーションと質疑応答
この交流会は、日本の児童相談所職員にとって、大きな転換点となるでしょう。英国の専門家から学ぶだけでなく、全国の同僚と繋がり、共に課題を解決していく。この取り組みが、日本の児童福祉の未来を明るく照らすことを期待しています。