EMシステムズがPKSHAのAI Suiteを導入
株式会社EMシステムズが、PKSHA Technologyの「AI Suite for Contact Center」を同時に導入し、コンタクトセンターの生産性向上を目指しています。この新たなシステムは、特に医療機関向けのサービスを効率良く提供するために設計されています。具体的には、同社のインフォメーションセンターが抱える専門的な問い合わせへの対応を迅速化し、ナレッジの構築を支援します。
導入の背景
EMシステムズは、電話による問い合わせ対応に関して多くの課題を抱えていました。特に、電子カルテや薬歴、介護ソフトに関する問い合わせは専門的かつ多岐にわたっており、オペレーターの負担を大きく増加させていました。そのため、プログラムのアップデート時には電話が集中し、応答率の低下も問題視されていました。さらに、オペレーターに関する体系的なナレッジが不十分で、知識が一部の経験者に依存するという状況が続いていました。
これらの課題を克服するためには、単なる効率化だけでなく、蓄積されたナレッジをどう活用し、増やしていくかがカギとなります。そのため、PKSHAが提供するAIソリューションの導入を決意しました。
導入の概要
今回、EMシステムズが導入したのは3つの製品です。「PKSHA Speech Insight」、「PKSHA FAQ」、そして「PKSHA Knowledge Stream」です。
まず、「PKSHA Speech Insight」では、通話内容を自動で書き起こし、要約する機能を利用して問い合わせ後の処理時間を短縮します。この結果、オペレーターの業務負担が大幅に軽減され、生産性が向上します。次に、「PKSHA Knowledge Stream」により書き起こしデータからナレッジを抽出し、「PKSHA FAQ」へと情報を連携。これによって、既存のナレッジを効率よく更新しながら、日常の業務を行うことができます。
このシステム連携により、応答数の増加、ナレッジの充実、そしてオペレーター間での知識共有が促進され、業務の品質を均一化しつつ負荷を軽減することが期待されています。
今後の展望
EMシステムズは、このAI Suiteの導入を通じて、全国のインフォメーションセンターでの活用を進め、オペレーターが円滑に運用できる仕組みを構築しています。2024年には、FAQの自動提案機能を「PKSHA Speech Insight」上で運用開始予定であり、これが更なる業務効率化に貢献することが期待されています。
将来的には、問い合わせの自動化を推進し、AIエージェントによるナレッジマネジメントの確立を目指します。AIと人間が協力し合う環境を創出することで、企業独自のナレッジマネジメントを加速させています。
コメント
株式会社EMシステムズの代表取締役執行役員である國光宏昌氏は、今回のシステム導入を「インフォメーションセンターの『つながりにくさ』を解消する一歩」と位置付けています。顧客により高い満足度を届けるための努力を惜しまない姿勢が伺えます。
EMシステムズについて
EMシステムズは「デジタルで日本の医療・介護を支える」という使命のもと、ITソリューションを提供しています。医療機関や薬局、介護事業者向けに開発したシステムは、業界内で40%超のシェアを誇り、業界のリーダーとして位置づけられています。先端技術を通じて、国民の健康を重要視しつつ、企業成長にも寄与しています。
結論
今回のPKSHAのAI Suite導入は、EMシステムズの未来志向の取り組みを象徴するものです。業務の向上のみならず、医療・介護に携わる全ての関係者に対してより良いサービスを提供し、社会貢献を果たすことが期待されています。