ジオテクノロジーズ株式会社が、5秒ごとの高精度な人流データを活用し、屋外広告に関する接触判定技術の特許を取得しました。この技術は、屋外広告に進行方向でいる視認エリアのオーディエンスを測定可能にします。屋外広告の効果測定は長年の課題であり、多くの広告業界関係者が精度の向上を求めています。
近年、多くの広告媒体でデジタル技術の進化にともない、効果測定の精度が向上してきましたが、屋外広告に関してはその実現が難しい状況でした。2022年には、一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムが「OOHオーディエンス測定の新しいグローバルガイドライン」を発表し、屋外広告の視認者数の計測基準の標準化を目指しました。しかし、このガイドラインでは人の進行方向や周辺の視野を考慮していなかったため、実際の広告接触を正確に判定するのは難しかったのです。
ジオテクノロジーズはこの壇上で、従来の課題を解決するために、より精密で現実に即した屋外広告接触判定技術を開発しました。特許番号7555689号を得たこの技術は、特に高頻度でのデータ取得が特徴です。通常の広告接触判定では5分から15分ごとのデータ取得になりますが、ジオテクノロジーズは5秒間隔でのデータを取得・解析することが可能です。これにより、リアルタイムに近い形での広告接触判定が実現しました。
この技術の特性には、詳細な移動軌跡の分析があります。特定のGPS地点から続く移動データを解析し、ユーザーの進行方向を精密に導き出します。これにより、ユーザーが実際に進行方向を向いて広告を見ることができるかどうかを判定できるのです。さらに、周辺の障害物の影響を考慮し、広告視認エリアを動的に調整することで、視認性を確保しています。
また、立体的な広告接触領域の精密設定も行います。立体的な図を用いて三次元空間の広告視認エリアを算出し、広告が設置された高さやそのサイズを考慮し、エリアを設定できるのも大きな特徴です。これにより、様々な場所に設置された屋外広告に適した視認エリアを正確に把握することが可能となります。
特許技術は「Geo-Research(ジオリサーチ)」と統合。これにより、屋外広告の視認可能オーディエンス(Opportunity To Contact, OTC)だけでなく、実際に広告を視認したオーディエンス(Viewed Advertising Contact, VAC)も高精度に測定できるようになります。ジオテクノロジーズは、この技術を基盤にして、屋外広告と独自のテクノロジーを融合させ、新たなマーケティングソリューションの開発に注力していく方針です。今後の展開に注目が集まります。