北海道におけるフードロス削減の取り組み
昨今、食品ロスの問題が深刻視されていますが、その中でも特に見過ごされがちな「かくれフードロス」という存在をご存知でしょうか。この「かくれフードロス」は一般的な食品ロスとしてカウントされない、製造や加工の過程で発生する未利用の農作物を指します。実際、日本では約462万トンの食品ロスが廃棄されているとされる中、推定で年間2,000万トン以上のかくれフードロスが存在するとされています。
そんな中、フードテックスタートアップのASTRA FOOD PLANが、北海道北見市を中心にこの問題に立ち向かうための実証実験を始めました。彼らのミッションは「もったいない」を「おいしい!」に変えること。これは非常に意義深い取り組みと言えるでしょう。
北見市での実証実験の目的
今回の実証実験では、地元で生産されるタマネギを主な対象に、アップサイクル食品の製造を試みます。特に、ASTRA FOOD PLANが取り扱う「タマネギぐるりこ」を用いて、スープカレーやハンバーグなど多様な用途の開発を進め、地域におけるかくれフードロスの削減を目指します。
北海道はタマネギの生産量が日本全国の約6割を占める主要な産地であり、近年は気候変動の影響で収穫が難しくなっているという現状もあります。2025年には市場価格が前年と比べて60%以上も上昇すると予測されています。これに応じて、農業従事者や消費者として。「タマネギぐるりこ」はこのような背景を受けて需要が高まっている一品です。
実証実験の内容と方法
本実証実験は、ASTRA FOOD PLANが考案した過熱蒸煎技術を駆使して、タマネギを商業化するための具体的な方策を検証します。この技術を使用することで、原料の乾燥や殺菌が同時に行えるため、短時間で質の高い製品を生み出せるのが特徴です。また、北見市周辺の未利用原料を調査し、それをアップサイクル食品として市場に提供する可能性を模索します。
さらに、ビールメーカーとの連携により、使用済みホップや麦芽かすをアップサイクルし、新たな商品を開発することも目指しています。これにより、地域の農業と経済を活性化させることが期待されています。
STARTUP HOKKAIDOとの提携
本プロジェクトは、北海道のスタートアップ支援プログラム「HOKKAIDO Next Frontier Program」に採択されて実施されます。このプログラムは地域資源を生かして新たな事業を生み出すことを目的としており、北海道が得意とする「一次産業・食」「宇宙」「環境・エネルギー」といった分野でのスタートアップの育成をサポートしています。このような取り組みが、北海道における持続可能な成長に寄与することを目指しています。
ASTRA FOOD PLANの役割
ASTRA FOOD PLANの代表取締役である加納千裕氏は、この実証実験に非常に期待を寄せています。気候変動や価格の高騰といった厳しい状況の中、持続可能な農業と地域経済の発展を両立させるための重要なテーマとして、「かくれフードロス」を有効活用することが挙げられます。
加納氏は、「独自の過熱蒸煎技術を駆使し、さまざまな農作物に対する課題にも挑戦し、フードロス問題の解決に向けて積極的に取り組む」と述べています。彼らの活動が、持続可能な社会を築く一助となることが期待されます。
おわりに
このように、ASTRA FOOD PLANが挑むフードロス削減の取り組みは、地域の農業や食文化の持続可能な発展を促すものと言えるでしょう。今後の実証実験の進捗状況や新たな開発品に関する情報も注目が集まります。今後とも、ファーマーズマーケットや地域イベントなどでの展開が期待されるこのプロジェクトから、目が離せません。