夢をつなぐ髪の毛
2022-08-30 10:00:03
大阪樟蔭女子大学が展開するヘアドネーションとSDGsの取り組み
大阪樟蔭女子大学とヘアドネーションの取り組み
大阪樟蔭女子大学の化粧ファッション学科、美容コースの学生たちが、髪の悩みを抱える子どもたちのために希望を届けるプロジェクトを進めています。「髪の毛で夢をつなぐ〜ヘアドネーション〜」という活動では、ヘアドネーション団体との連携を通じて、美容学生が社会的課題への理解を深めることを目的としています。特に、脱毛症やがん治療による脱毛に苦しむ子どもたちに対して、自分の髪を使って支援を行う機会を設けています。
このプロジェクトは、2021年度に学生たちの有志により始まったもので、SDGs(持続可能な開発目標)に基づいた活動として、地域社会の一員としての責任を果たす姿勢が色濃く表れています。また、プロジェクトの一環として、座談会「〜多様な未来への一歩〜」が9月3日に同大学で開催されました。このイベントには、特定非営利活動法人Alopecia Style Project Japan(ASPJ)の協力が得られ、髪にまつわる様々な悩みを抱えた当事者や学生たちが交流し、意見を交わす貴重な機会となりました。
美容師としての新たな道を模索
座談会では、髪の症状に悩む当事者の生の声を聞くことで、学生たちがどのようにしてその問題に寄り添う美容師になることができるかを探ります。参加した学生は「髪に症状を持つ方々に寄り添い、どのように悩みを共にするかを考えたい」と口々に語りました。座談会で得られた知識や経験は、後日動画として配信され、多くの人々に問題意識を広める手助けとなる予定です。
さらに、学生たちはヘアドネーションの意義や実際の活動についても学びを深めています。過去には、いくつかのヘアドネーションイベントを実施し、誰でも参加できることで多くの人がヘアドネーションの必要性を理解するきっかけになっています。
目指すは、みんなが輝ける社会
ヘアドネーションに関する教育も重要視されており、学生たちは講座や見学を通じてより深い知識を吸収しています。「本当にウィッグは必要か?」といった問いも投げかけられ、ウィッグに依存しなくてもよい社会を目指すために何ができるかを考えています。
プロジェクトを通じて学生たちは、SDGsの目標にも関連した活動ができることを意識し、将来の美容師としての道に役立てたいという意欲を持っています。
参加者の声
教員の真殿由加里助教は、「髪の症状にかかわらず、美しさを引き出す美容師が目指すべき姿」と語っており、学生たちにもその思いが伝わっています。
3年生の細目侑花さんは、通院中に見かけた髪が抜けている子どもたちを見てヘアドネーションを始めたと言い、「困っている人のために何かをしたい」との強い想いを述べました。また、ヘアロス当事者の方も「自身の経験を元に、学生たちに支えられることで、美容師たちが自分を理解し、助けてくれる存在になれる」と期待を寄せています。
このように学生も教員も当事者も、一緒に社会的な問題に取り組み、明るい未来をつくるために動いているのです。
今後も、大阪樟蔭女子大学の美容コースは、髪の悩みを抱える方々への支援を通じて、美容師としての成長を続け、より多くの人々に寄り添える存在を目指します。
会社情報
- 会社名
-
特定非営利活動法人Alopecia Style Project Japan
- 住所
- 東京都渋谷区宇田川町14-13 宇田川町ビルディング3階
- 電話番号
-
03-6821-5891