超音波ソナー技術を駆使したシールドマシンの新しい可視化システム
鉄建建設株式会社(東京都千代田区、社長:伊藤泰司)は、超音波ソナー技術を利用してシールドマシンのチャンバー内における泥土の性状を継続的に測定し、可視化するシステムの開発を進めています。この技術は、特許(第7256093号)として認可され、2024年6月4日にプレスリリースされました。
開発の背景
シールドトンネル工事において、2020年に発生した事故がきっかけで、国土交通省は施工の安全性確保に関する新たなガイドラインを作成しました。このガイドラインでは、施工管理の質を向上させることや、切羽の安定性を確保することが重要視されています。しかし、シールドマシンのチャンバー内は隔壁によって視認ができず、従来の方法では技術者の経験に依存する部分が多かったのです。
当社では、2024年度に超音波ソナーを用いた土質の評価システムを開発して実用化していますが、さらに詳しい情報を得るために新しいシステムの開発を行いました。
システムの概要
新システムは、シールドマシンの隔壁に設置された超音波ソナーから発信された超音波がカッタースポークに反射し、戻る反射波の到達時間を計測することで、チャンバー内部の泥土性状を音速として数値化します。これにより、掘進中に自動で連続計測を行い、リアルタイムで切羽の状態を把握できるようになりました。
開発には、複数種類の試料を使用して実施された音速の計測が含まれています。この結果、以下の重要な知見が得られました:
- - 粗粒土(砂や礫)と細粒土(シルト)では音速に明確な違いがあること。
- - 添加材の投入量が増えると音速が低下すること。
これらのデータは専用のプログラムで自動的に解析され、掘進中の土質の分類や添加材投与による変化をリアルタイムで把握できる機能が実現されました。
今後の展開
シールドトンネル工事の長距離化に伴い、地質変化に迅速に対応することがますます重要になっています。鉄建建設では、この新システムを地質変化が予測される場所に導入し、動的な土質や性状の変化にリアルタイムで対応して、工事の安全性を向上させることを目指します。また、すでに開発された周辺地山のリアルタイム監視システムと連携させることで、シールド工事全体の生産性や安全性の向上を図ります。
さらに、音速以外の出力にも注目し、チャンバー内の可視化精度をさらに高めることを目指しています。技術の進化により、土木業界における施工管理はより安全かつ効率的に進んでいくことが期待されます。