概要
国立大学法人岡山大学は、ニワトリの筋肉中におけるタンパク質分解のレベルが熟成後のむね肉に含まれるうま味成分、遊離グルタミン酸の蓄積に与える影響を解明しました。本研究は、岡山大学の勝俣沙智助教と鹿児島大学の井尻大地准教授らによる共同研究として行われました。
研究の背景
食鳥処理場では、衛生管理の観点からブロイラーが絶食される必要があります。この絶食が、ニワトリの筋肉におけるタンパク質分解を促進させることが知られており、熟成後の肉質との関連性が研究されています。これまでの研究において、筋肉中のタンパク質分解が進むことで、熟成後のむね肉の遊離グルタミン酸の含量が増加することが示されていました。
研究の成果
本研究においては、筋肉中のタンパク質分解が進行したニワトリのむね肉において、特にタンパク質分解酵素であるCalpain 11の遺伝子発現量が増加することが発見されました。さらに、熟成後のむね肉における遊離グルタミン酸の含量は、電気泳動によって検出された約12–15 kDaの未知の筋原線維タンパク質のバンドの強度とも相関していることが示されました。これにより、特定の筋原線維タンパク質の分解とCalpain 11が、うま味成分の蓄積に関与していることが判明しました。
研究の意義
この研究成果は、2026年2月11日に学術誌「Poultry Science」に論文として掲載されました。自給自足や食品の質に関心が高まる中、熟成肉の風味向上に寄与する知見として、農業や食肉産業における活用が期待されます。
勝俣助教のコメント
勝俣沙智助教は、「本研究を通じてニワトリの筋肉におけるタンパク質分解のメカニズムと、うま味成分の蓄積との関連を解明しました。研究には多くの協力者がいたことに感謝しており、共同研究を通じての繋がりが大切です」と述べています。
参考情報
本研究は日本学術振興会(JSPS)の科学研究費の支援を受けて実施されました。詳細は岡山大学の公式ウェブサイトに掲載されています。興味のある方は、以下のリンクを参照してください。
この研究で得られた知見は、今後の食肉業界に新たな可能性をもたらし、様々な調理技術や新商品の開発につながるかもしれません。食肉の品質向上に向けた研究が進む中、岡山大学の取り組みから目が離せません。