カーボンナノチューブ革命
2026-06-03 17:20:19

近畿大学が開発した革新的触媒でカーボンナノチューブの成長が飛躍的に進化

カーボンナノチューブの未来を拓く新触媒の開発



近畿大学理工学部の研究チームが行った最新の研究は、未来の素材として注目されるカーボンナノチューブ(CNT)の成長技術に革新をもたらしました。近畿大学の准教授・杉目恒志氏をはじめとする研究グループは、高温環境で長期間CNTを成長させるための新たな触媒を開発し、その成果は国際学術誌「Carbon」に掲載されることが決まりました。

高品質カーボンナノチューブの重要性


カーボンナノチューブは直径がナノメートルスケールのチューブ状素材であり、その特性は防音材や構造材料、さらにはエレクトロニクス分野にまで広がっています。軽量で電気・熱の伝導性が高く、引張強度も優れていることから、CNTの需要が高まっています。しかし、高品質で長尺のCNTを効率良く成長させることは、多くの研究者の課題の一つでした。

新しい触媒の開発プロセス


今回、杉目准教授とそのチームは、これまでの研究において有望視されていたレアアース元素を用いた触媒に注目しました。従来のガドリニウム(Gd)に代わり、エルビウム(Er)とスカンジウム(Sc)を組み合わせた触媒を開発。特にScを使用した際には、900℃の高温環境下でもCNTの成長寿命が大幅に延びることが実証されました。

研究成果の意義


研究チームの成果によれば、ScはCNT成長を助ける触媒として非常に効果的であり、他の材料と比較して長寿命化を実現しました。これによりCNTが短くなるリスクを減少させ、高品質なCNTの合成が可能になると期待されています。実際、800℃でも3種類の触媒すべてで3時間以上の成長寿命を示し、すべて1cmを超えるCNTフォレストを形成しました。

公開された論文


この研究成果は、2026年5月5日、エルゼビアが出版する化学分野の国際学術誌「Carbon」に掲載される予定です。論文では、CNTの成長過程や触媒の働きについて詳細に解説されています。これにより、より高品質な素材開発が進むことが期待されます。

さらに広がる応用の可能性


今後の研究によって、これらの触媒がさまざまな反応においても応用される可能性が高まります。例えば、FeとScの組み合わせはアンモニア合成などの分野にも使われる予定です。これにより、より効率的な素材の製造法が確立されることが見込まれます。

まとめ


近畿大学の研究チームによる新たな触媒の発見は、カーボンナノチューブの成長技術に新しい視点をもたらしました。高温でもCNTの成長を促進するこの技術は、今後の素材開発に向けた大きな一歩となることでしょう。科学技術が進化する中、CNTの可能性が広がることを期待してやみません。

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